「老後に2,000万円足りなくなる」をどう考えるか
2019年6月頃に騒がれた「老後2,000万円問題」を覚えてらっしゃいますでしょうか。
それまでにも、「老後には1億円必要」とか、「老後のお金は年金だけで問題ない」とか、いろいろな説が飛び交っていましたが、政府の調査委員会が公式に「多くの家庭において、老後は年金だけでは足りず、2,000万円ほど不足する可能性が高い」という発表をしたことで、大いに物議をかもしました。
多くの人は、「老後は年金だけでは足りず、2,000万円も持っていないと生きていけないなんて、聞いてないよ~! 政府はどうしてくれるんだ~!」という反応でしたが、はっきり申しまして、このような意見は愚の骨頂です。
老後のお金の問題は、自分で対処しなければならないに決まっているからです。「年金だけで食べていく」ということ自体が夢物語なのです。
さらにいえば、そもそも「老後にはお金がいくらいるのか」という問題意識そのものが間違いです。
本業を60歳で辞めるのか、もっと早く辞めるのか、逆に65歳まで働くのか、それは個人個人の問題です。お金の算段も各人各様ですし、就労環境もさまざまです。ですから、一概に「何歳で辞めましょう」とか、「老後の資金が○○万円(億円)貯まったら辞めましょう」とか言うことはできません。あまりにも「人それぞれ」だからです。
しかし、一つだけ共通して言えることがあります。
それは、本業を辞めたあとの「老後も働こう!」ということです。そしてそれは必ず、「イヤじゃない仕事」でなければなりません。
老後も「イヤじゃない仕事」をして暮らせば、「年金だけが頼り」というような「ショボくて心細い余生」を過ごさなくてすみます。
何より、老後に広がる膨大な時間(ヒマな時間)を有意義に過ごすには、「イヤじゃない仕事」を続けることしかないと心してください。
そうすれば、現役時代にも(少なくとも定年や辞め時を意識した時からは)、「一生続けられる『イヤじゃない副業』の準備をする」という問題意識を持って活動できると思うのです。
また、そういった意識が芽生えれば、現役時代にも、本業でもできるだけ「イヤじゃない仕事」をしようと心がけるようになります。それが大事なことです。