「国も年金も当てにしない」と決意する
しかしながら、年金は破綻はしませんが、積立金は枯渇するかもしれませんし、人口構成の動態的な動向を考慮すれば、支給額が減額になるのは間違いありません。
簡潔に考えて、「年金を支払う人数が減って、受け取る人数が増える」わけですから、今後、支給額は減額にならざるを得ないのです。
「支給開始の時期が後倒しになる」というのも、生涯通算ベースで考えれば、支給額が減額になるということです。支給開始の時期は、すでに60歳から65歳に後倒しになっていますから、今後も年金の支給開始の時期が後倒しになることは、まず間違いなく起こるでしょう。
ですから、「年金は、あてにしない!」と決意するのです。
そして、今からでも遅くはないので、自分で「賦課方式と積立方式の併用方式」を導入するべきです。
自分で「賦課方式と積立方式の併用方式」を導入するというのは、すなわち、制度的な年金もきちんと支払い(この部分が賦課方式の部分)、それ以外に「自分年金」を創設して、積立方式で、自分で自分の年金基金を作っていくのです。この部分は「自分年金基金」です。積み立てたお金を株式投資で運用するのです。
そうしておかないと、年金制度は破綻しなくても支給額が少なすぎて、「イヤな仕事でもお金のために一生働かなければ生活していけない」といった事態に陥ります。
榊原 正幸
元大学教授
会計学博士・税理士