年金と退職金、あわせて「20年で約1億円」もらえる50歳・共働き夫婦…余裕の老後のはずが「不安でたまりません」のワケ【CFPが解説】

年金と退職金、あわせて「20年で約1億円」もらえる50歳・共働き夫婦…余裕の老後のはずが「不安でたまりません」のワケ【CFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

同じ会社に勤め、共働きしている50歳のA夫妻。定年後のライフプランも申し分なく、そのままでも豊かな老後生活を送ることができそうです。しかし、A夫妻にはある悩みがあり、そのせいで「老後が不安でたまらない」といいます。牧野FP事務所の牧野CFPが、一見「十分な老後資金」を蓄えているA夫妻が不安を抱くワケと、2人が出した結論について解説します。

A夫妻の「都心移住計画」は実現可能か?

しかしA夫妻は、住んでいるマンションにこのまま住み続けるか、60歳をめどに住み替えるか迷っていました。

 

いま住んでいるマンションは、Aさんが35歳のとき、25年ローンで購入しました。頭金は500万円、借入金は3,800万円です。間取りは4LDKとファミリー向けで、周辺には緑地や公園、大型ショッピングセンターと、子どもを育てながら生活するのに適しています。

 

自宅から最寄りの駅まではバスで4~5分、都心まではバスと鉄道を乗り継いで約40分と不便な距離ではありませんが、丘陵地であるためどこへ行くにも車で移動していました。

 

A夫妻は、「高齢者の運転は危険だし、息子の子育てが落ち着いたいま、この家では広すぎる。街中のこぢんまりとしたマンションに引っ越したい」と考えていました。

 

息子は生まれ育ったマンションを離れることに消極的でしたが、進学予定の大学は遠方のため下宿することになります。また、就職などその先の人生を考慮しても現在の広いマンションは手放してもいいのではないかと伝えると、息子もしぶしぶ納得したようでした。

 

そこでA夫妻は、「どうせ引っ越すなら現在住んでいるところを売却し、そのお金で新しいマンションを買おう」と思いました。

 

夫婦が自ら複数の不動産業者に照会したところ、どの業者も「現在のマンションは1,800万円以上で売れるが、部屋のリノベーションをしてからのほうがより高く売れる。また、購入したいマンションの価格は中古で2,500万円くらいである」との回答でした。

 

また、同じマンションに住んでいてリノベーションをしたことのある人に費用を聞くと、工事の内容によって300万円~1,000万円ほどだったそうで、A夫妻の物件の場合500万円程度は必要であることがわかりました。

 

A夫妻から一連の話を聞き、筆者は「試算の結果、リノベーションをしてマンションを売った場合、その後住むマンションは、住宅ローンなしで購入しても老後の生活に支障がない」ということを伝えました。

 

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