定年後「1億円超」の収入見込み…A夫妻の懐事情
令和3年度の老齢厚生年金の平均受給月額は、14万3,965円でした※1。この金額で20年間受給すれば、約3,455万円になります。勤め先によっては、ここにさらに「退職一時金」や「企業年金」が上乗せされます。
共稼ぎのA夫妻は、退職後お互いにもらえる金額を合算したところ1億円以上になります。しかし、定年後に「ある計画」があったA夫妻は、それが実現可能かどうか「不安でたまらない」と、筆者の事務所へと相談に訪れたのです。
夫は70歳まで、妻は65歳まで勤務予定のA夫妻
準大手クラスのメーカーに勤めるA夫妻は、ともに昭和47年生まれの50歳です。同期入社で職場結婚し、現在17歳(高校2年生)の息子が1人います。夫婦ともに、この会社の定年(現行60歳)まであと10年というところです。
Aさんの定年時点の年収は約700万円。定年後、同じ会社に65歳まで再雇用として常勤で働き(年収400万円)、その後70歳までは非常勤(年収180万円)で働く予定です。60歳の定年時に退職一時金が1,000万円入り、その後10年間は企業年金48万円を、65歳からは老齢厚生年金※2を生涯207万円(月額約17万円)受給予定です。
一方、妻の定年時点の年収は550万円。定年後65歳までは、勤め先の系列会社で事務員として年収180万円で働く予定です。65歳からは老齢厚生年金※2を生涯161万円(月額約13万円)受給できそうです。
筆者は、A夫妻の話から、Aさんは平均余命である82歳まで※3に老齢厚生年金だけで約6,256万円、会社からの退職一時金や企業年金を含めると、60歳から約1億4,423万円の収入が見込めることがわかりました。
また、女性の平均余命は88歳です※3。夫が82歳で亡くなったと仮定すると、女性平均余命からさらに5年延びた93歳のとき、妻は自身の老齢基礎年金と夫の遺族厚生年金を受け取ることができます。また、1,000万円以上の貯蓄も見込めます。
このように、A夫妻は、このまま生活していっても、なにも問題なく老後が過ごせるはずです。
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