(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の不安とは、突き詰めていけば「お金の問題」に他なりません。長生きは喜ばしい反面、それだけ生活費がかかることも事実です。本連載では、資産形成のプロでありシニア・プライベートバンカーの濵島成士郎氏が、著書である『老後の不安がなくなる50歳からのお金の増やし方』(三笠書房)から、老後の資産形成を行うコツについて解説します。

「50歳男性、余裕資金なし」の人におすすめの資産形成プラン

老後の資産形成には、金融機関や金融商品を選ぶ前に、やるべきことがあります。

 

それは、「どの資産にどれくらい配分するか」、つまり、「アセットアロケーション(資産配分)」を決めることです。

 

思い出してください。老後の資産形成は、「アセットアロケーションで成果の大半が決まってしまう」のでしたよね。

 

そこで、3章では、50歳から老後の資産形成に取り組むための具体的なアセットアロケーションと、資産形成プランをお伝えしていきましょう。

 

投資初心者の方にとっては、少々専門的で難しいと思える内容にも触れていきます。

 

でも、ご安心ください。読み進めていけば、自然と知識が身についていきます。

 

ここでは、資産形成プランの概略をざっとつかんでいただければ結構です。

 

まずは、「50歳男性、投資経験なし、余裕資金なし」という人が、老後の資産形成を始めるケースです。

 

50歳で投資に回せる余裕資金がなかったとしても、そろそろ老後の資産形成を本気で考えたいところです。なぜなら、資産形成では時間がなにより重要だからです。

 

「ゴールまでに費やせる時間が多ければ多いほど有利になる」―それが資産形成の特徴でもあるのです。

 

この人の資産形成の目的・ゴールは「老後の生活費として65歳時点で2,000万円を貯める」だとします。プロフィールのイメージは以下の通りです。

 

・職業 会社員

・家族 妻(パート勤務)、子ども1人(高校1年生)

・金融資産 預貯金350万円

・収入 月額手取り35万円

・世帯収入(妻の収入合算) 月額手取り42万円

・生活費 月額28万円(自分の小遣い等を含め、毎月かかる費用)

・住宅ローン 月額8万円返済(持ち家)

・保険料(生命保険、医療保険、学資保険) 月額3万円

 

この他に、自宅の固定資産税や火災保険、子どもの夏期講習費用等がかかりますので、ボーナスは臨時の費用や家族旅行でほぼ使い切ってしまいます。

 

預貯金が350万円ありますが、子どもの大学入学費用に備える必要もあり、投資に回す余裕はありません。

 

この余裕のないギリギリの状態で資産形成に取り組むとしたら、「毎月の積み立て投資」をしていくことになります。

 

アセットアロケーションは「株式100%」、しかも、地域は「全世界」への株式投資です。文字通り、日本だけでなく先進国や新興国も含め、世界中の株式(全世界株式と言います)に広く投資をしていくのです。

 

これまでは、「どの資産にどれくらい配分するか」「各人のリスク許容度に応じてアセットアロケーションを考える」ことが大切だ、とお伝えしてきました。

 

それなのに、「株式一本やり!? 矛盾してるじゃないか!」

 

そう感じている人もいるかもしれません。

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老後の不安がなくなる50歳からのお金の増やし方

老後の不安がなくなる50歳からのお金の増やし方

濵島 成士郎

三笠書房

「シニア・プライベートバンカー」「資産形成のプロ」が イチからお金の増やし方を教えます! 「老後の不安」とは、突き詰めれば、お金の問題に他なりません。 「長生き」は喜ばしい反面、その分、お金がかかることも事実。…

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