多方面からの規制でがんじがらめの中国…行く末は
中国には今後、どのような道が考えられるか。
まずは「自力更生」の掛け声の下、先端製造装置の自主開発に邁進していくだろう。
ただ、ASMLのEUV露光装置は、TSMCやインテル、サムスン電子との協業(すり合わせ)の下、10年以上の歳月を費やして開発したもの。「中国が初期開発段階に到達するのには最低でも5年から10年は必要」との声もある。
もうひとつは、既存および成熟プロセスの強化だ。
55nmは車載電子製品など依然多くの分野で使われている。また、一般的に90nm技術が主流とされるパワー半導体などの成長後押しにつながるかもしれない。
ファンドリーのSMIC(00981)は米規制により生産設備や部品、材料の入手が困難になることを見越し、20年頃に「先端プロセスの開発から成熟プロセスの充実」へと転換していたフシがある。
一方、エヌビディアはスペックを落とした「中国専用GPU」を投入したようだ。前述のA100の対中輸出が阻まれたため、同等の演算能力を持つもののデータ転送速度を3分の2に抑えた「A800」の生産を開始したという。
規制逃れの苦肉の策。中国の顧客離れを防ぐため、サプライヤー側も必死である。
奥山 要一郎
東洋証券株式会社
上海駐在員事務所 所長
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】