多方面からの規制でがんじがらめの中国…行く末は
中国には今後、どのような道が考えられるか。
まずは「自力更生」の掛け声の下、先端製造装置の自主開発に邁進していくだろう。
ただ、ASMLのEUV露光装置は、TSMCやインテル、サムスン電子との協業(すり合わせ)の下、10年以上の歳月を費やして開発したもの。「中国が初期開発段階に到達するのには最低でも5年から10年は必要」との声もある。
もうひとつは、既存および成熟プロセスの強化だ。
55nmは車載電子製品など依然多くの分野で使われている。また、一般的に90nm技術が主流とされるパワー半導体などの成長後押しにつながるかもしれない。
ファンドリーのSMIC(00981)は米規制により生産設備や部品、材料の入手が困難になることを見越し、20年頃に「先端プロセスの開発から成熟プロセスの充実」へと転換していたフシがある。
一方、エヌビディアはスペックを落とした「中国専用GPU」を投入したようだ。前述のA100の対中輸出が阻まれたため、同等の演算能力を持つもののデータ転送速度を3分の2に抑えた「A800」の生産を開始したという。
規制逃れの苦肉の策。中国の顧客離れを防ぐため、サプライヤー側も必死である。
奥山 要一郎
東洋証券株式会社
上海駐在員事務所 所長
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