子どもが「95点」を取ったとき、何と声をかけるのが“正解”か?【元バンダイ・商品開発のプロが解説】

子どもが「95点」を取ったとき、何と声をかけるのが“正解”か?【元バンダイ・商品開発のプロが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「95点か~。次は100点目指してがんばろうね!」…このような言い方で子ども、部下に伝えてしまうと、今回の内容が良くなかったかのように伝わってしまいます。かといって95点を手放しでほめると、それが最良の結果と思われてしまいます。本稿では、アイデア創出の達人、おもちゃクリエイター高橋晋平氏が、自身が生み出したアイデアの実例を記した著書『1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく』(KADOKAWA)より、「教育」をテーマにした箇所を一部抜粋して紹介します。

子どもを勉強好きにさせる“究極の方法”

小学生の頃一番興奮して見ていたテレビ番組は「アメリカ横断ウルトラクイズ」でした。問題が読まれるとすぐに早押しボタンを押して難しい問題に答える出場者の方々を見て、本当にカッコいいと思っていました。

 

僕が小学校時代に割と勉強が好きだった理由は、クイズ番組に出るような人たちに憧れていたからだと思っています。クイズ番組は、子どもにとっては正直そんなに楽しいものではない学校の勉強を、「できたらカッコいい」と思わせる最強のエンタメです。

 

クイズ番組が優れているポイントはたくさんあります。まず、正解した回答者が喜ぶことです。満面の笑みを浮かべたり、ときにはガッツポーズをしたりします。

 

これにより、「難しい問題が解けたら、嬉しいんだ」ということが子どもに伝わります。学校の勉強で問題が解けても、「よっしゃー!」と言って大喜びする場面はあまりないですよね。

 

クイズ番組は、勉強をスポーツ化しています。勉強を楽しくしているのではなく、「面白いスポーツがたまたま勉強だった」ことで、憧れるし、楽しむことができます。これもひとつのゲーミフィケーション(ゲームの要素を使って、人の行動と成長を促すこと)です。

 

子どもを勉強好きにさせたければ、クイズ番組をたくさん見せるのがおすすめです。これからも最高のクイズ番組が生まれ続けてほしいものです。

 

                 コラム

あと30年ほどしたら、ノーベル賞受賞者が、「子どもの頃に読んだ『ロウソクの科学』がきっかけです」ではなく「QuizKnockに憧れて!」と言う時代になるかもしれませんね。

 

子どもや部下が“95点”を取ったときは何と声をかけるか

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

自分の子どもがテストで95点を取って持ち帰ってきたとき、僕は、ほめて喜んでいるような声で「うっわー、惜っしー! もうちょっとで100点だったのに! 見直ししてたらいけたかもしれないね。すげー!」みたいな言い方をします。

 

ほめているような顔で、次への課題を伝えるのです。後輩などに新規事業プランの相談をされたときも、例えば、「めっちゃいい! これ、製品を高品質で生産できたら100点だね!」みたいな言い方をします。「そのプラン95点だね」ではなく、「もしここをこう実現できたら絶対にうまくいく」というような言い方を、ほめるような形で興奮気味に伝えます。

 

「95点か~。次は100点目指してがんばろうね!」みたいな伝え方だと、今回の内容が良くなかったようなニュアンスになり、モチベーションが下がります。ただ、95点を手放しでほめると、それが最良の結果だと思ってしまいます。未来を楽しみにさせる伝え方が良いです。

 

ちなみに僕には、自分の子どもががんばったとしても、結果次第では絶対にほめないようにしていることがひとつだけあります。

 

それは、人を笑わせようとしてジョークを言ってスベったときです。笑いのセンスは人生にとって最重要スキルだと思っているので、品のないことを言ったり、攻撃的なツッコミをしたりして面白くなかったときは、うなずく程度のリアクションをして、スベったことを本人に感じてもらえるようにしています。

 

                 コラム

本当に笑えたときだけ、ふき出して思い切り笑います。たとえ30点でも、まずはほめるところを見つけてほめます。上手な「ほめ」は相手の心に残り、未来につながります。

 

 

高橋 晋平

おもちゃクリエーター
アイデア発想ファシリテーター

 

秋田県生まれ。
2004年 株式会社バンダイに入社。第1回 日本おもちゃ大賞を受賞し国内外累計335万個を販売した「∞(むげん)プチプチ」などを開発。
2014年 株式会社ウサギを設立。玩具・ゲームの考え方を活かした事業を企業と共同開発し、発想セミナーやワークショップを全国で実施している。
笑い・遊びのある企画を作り、話題にし、販売につなげることが得意。

 

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※ 本連載は、高橋晋平氏の著書『1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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