(※写真はイメージです/PIXTA)

よく「万が一のリスクに備えて保険に入っておくべき」といわれます。しかし、「保険は家の次に高い買い物」といわれ、本当に必要なのか、慎重に吟味しなければなりません。本記事では、CFPの小宮崇之氏が、これまでの「保険の常識」に一石を投じる著書『保険の選び方・見直し方 今の保険、このままでいいの?』(ビジネス教育出版社)から、本当に必要な保険だけを選ぶコツ、保険を見直す際のポイントについて解説します。

不要・必要な保険を見極めるコツ

◆不要・必要な保険を見つけ出す

では、どのようにして不要な保険を見つけ出せばいいのでしょうか。まずは積立型の保険商品(変額保険、終身保険、養老保険など)の中に、過剰な保険料となっているものがないか点検しましょう。いずれの商品も解約返戻金が高く設定されている分、掛け金も高くなっているからです。

 

積立型の保険商品は保障と同時に貯蓄もできることを売りにしているわけですが、一般的に見て保障は「保険」、貯蓄は「投資」と2つに分けるほうが効果的な場合が多いのです。解約だけでなく、「払い済み保険」という方法もあることを頭に入れておいてください。

 

一方、必要な保険の見つけ方ですが、「その保険がないと遺族や自分自身の生活が困る」というのが基本です。

 

たとえば、積立型の保険の場合、ほとんどの商品が死亡保険金を1,000万円程度に抑えています。当然、1,000万円程度の死亡保障では、まさかの時の遺族の生活を助けるには不十分です。

 

そこで、その分の保険料を「収入保障保険」に回すのです。収入保障保険は、死亡したら遺族に毎月、一定額が支払われる生命保険です。

 

そうすれば「掛け捨て」にはなりますが、同程度の保険料で死亡した場合、自分が60歳になるまで毎月20万円の死亡保障を受け取ることができます([図表1])。

 

[図表1]収入保障保険の仕組みと具体例

 

この20万円が遺族の生活費になるのはもちろんですが、遺族年金の補填にもなるので、費用対効果は確実に上回ります。

 

医療保険についても、このように考えていけば、自然に必要な保険が見えてくるはずです。たとえば、がんになった後に100万円の診断給付金が必要というのであれば、そのままでいいし、別に100万円ぐらいなら貯蓄で問題ないというのなら解約する選択肢もありえます。

 

ただし、医療保険の場合、金銭面だけではとらえられない部分があるので注意が必要です。病気で落ち込んでいる時に、給付金をもらうことで病気の辛さを忘れられる、あるいは少し嬉しくなるといった効果が考えられます。要は、「常に自分自身の価値観を持って取捨選択することが最善の道」ということです。

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保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

保険の選び方・見直し方 ~今の保険、このままでいいの?~

小宮 崇之

ビジネス教育出版社

自分の意志で保険を選ぶ、見直すための知識満載!

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