ショップ、運動場…どんな用途にも使える工場・倉庫
絶世の美女や白馬の王子、蛙やコウモリ、ライオン、トラ・・・子どもの時に読んだ童話の中には、自らをあるいは他の人間を自由自在に変身させられる魔法使いや魔女が出てきました。
工場・倉庫は、そんな不思議な力を持った"魔法使い"や"魔女"にたとえることができるかもしれません。マンションが基本的に住居にしか利用できないのに対して、工場・倉庫は、ありとあらゆる用途に使うことができるからです。
オフィス、店舗はもちろんのこと、たとえば筆者の会社が現在取り扱っている工場・倉庫は、以下のように多種多様な形で用いられています。
●テニスコート
●バッティングセンター
●クライミング、フィットネスなどのアミューズメント施設
●絨毯販売
●ショールーム
●自動車販売店
●ディスカウントショップ
●ドラッグストア
工場・倉庫がマンションとは異なり、様々な用途に利用できることがおわかりになるでしょう。
このように多面的な利用が可能な工場・倉庫の空間を、私は"アクティブ空間"と呼んでいます。工場・倉庫に投資する際には、このアクティブ空間をどれだけ確保できるかが大きなカギになります。
また、工場・倉庫はリフォームも自由自在に行えます。後から窓を付けることはもちろん逆に窓をなくすことも簡単にできますし、入り口のシャッターを2枚にしたり、1枚にしたりといった変更も難なく行えます。しかも、そうしたリフォーム工事は、通常、テナントが自ら行うので、オーナーがその費用を負担する必要はありません。
工場・倉庫は駅から「10分以上」離れていても大丈夫
マンション投資では「駅から徒歩10分以上の物件は買ってはいけない」と一般にいわれています。実際、駅から離れている場所は、借りる側から敬遠される傾向が強まります。
[図表]自宅から最寄り駅までの許容所要時間
しかし、工場・倉庫投資では、物件が駅から10分以内どころか徒歩圏内にすらある必要がありません。基本的に、工場・倉庫の利用者は、鉄道ではなく自動車の利用を前提としているために、駅からの距離をさほど重要視していないからです。一方、自動車の利便性にかかわる要素は重視されます。そのため、道路付けのよさは大きなアピールポイントとなるでしょう。
逆にいえば、「駅から離れている」という理由だけで価格が安くなっている土地があれば、仕入れのコストを下げられるので、投資対象としては絶好の狙い目となります。
そもそも、都心や地方の中心地にある駅から徒歩10分圏内の土地は、市場に出てもすぐに不動産業者に買われてしまい、個人が入手することは難しくなっています。一方、中心地から離れた郊外などのエリアでは、まだまだ広い土地を確保することが十分に可能です。
不動産投資のポイントは「可能な限り多くの土地を持つ」ことにあります。資金さえあれば業者の買い占めに妨げられることなく、望み通りの広さの土地を手に入れられることは、工場・倉庫投資の非常に大きな魅力といえるでしょう。