お金のことを気にすることなく会社を運営できれば気楽でしょうが、残念ながら現実はそうではありません。経営に携わるかぎり、いつ何時でも資金繰りは切り離せない問題です。2020年に世界が一変してから、お金のことにより向き合わざるをえなくなった社長は数多くいるはずです。多くの経営者が必要とするお金に関する知識と、考え方について、大林誠一氏の著書『社長のためのお金のトリセツ』(かざひの文庫)で解説します。
自己破産はあくまでも最終手段
ですから、自己破産をするのはあくまでも最終手段であると考えましょう。自己破産しても、その選択をしたために再び立ち上がることができた人はたくさんいます。傷が浅いうちに破産を選択するのも、ひとつの方法です。「もしあのとき自己破産を選んでなかったら、いまはない…」という人は、じつはたくさんいるのです。
ところで、破産の手続きをするためにも、弁護士を入れる、通知をする、手続きをする…といったことが必要となり、意外とお金がかかります。ですから、少しでも余力があるときに破産をする人も多くみられます。
お金がない人でも、お金を借りて破産の手続きをすることができる制度はあります。もちろん、そのお金は後々返済していくものです。前述した通り、自己破産から一定の期間が経過すれば、表向きではありますが、いわゆる「ブラックリスト」から名前が消えます。そうすれば、またクレジットカードをつくることも、住宅ローンを組むこともできます。
このように、自己破産にはいい面とそうではない面の両方があることを頭の片隅に入れておいてくださいね。なお、自己破産をする前に使っていたクレジットカードをもう1回持つことは、よほどのことがなければかなり難しいと思っておいたほうがいいでしょう。
シーアンドシー株式会社 代表取締役
1992年、久留米大学卒業後、一部上場企業のバスケットボールチームに実業団入りした後、地元の電子部品メーカーにて、専務秘書となる。
不動産販売にも携わった後、省エネ機器のトップメーカーから声がかかり、全国代理店営業のトップセールスマンとして活躍。その後、新しい仕組みづくりを構築し、事業を全国規模に。
このとき、街の不良グループたちを更正させ、結果を出す営業マンへと成長させる。札幌市内で起業してからは、大手通信教育会社の新規教材開発や電話応対のオペレーション業務受託をはじめ、経営コンサルティングや飲食業の企画運営などに取り組み、東京、福岡でもビジネスを展開。洞爺湖サミットでは、環境省主催のエコパビリオンの運営管理を受託。
2016年にシーアンドシー(株)設立後は、太陽光発電事業や実務交渉サポートのほか、かならず結果をだす経営コンサルティングと、後進の育成にも力を入れている。
【シーアンドシー株式会社:https://cc-hp.jp/】
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