(※画像はイメージです/PIXTA)

トルコ南部で2023年2月6日、マグニチュード(M)7.8の大地震が発生しました。多数の建物が倒壊し、死者・負傷者が多数にのぼるとみられます。翻ってわが国は「日本列島は地震の巣」といわれるように、大地震がいつどこで起きてもおかしくありません。本記事では「転ばぬ先の杖」として、被災したときに受けられる公的補償の内容について解説します。

公的補償1|被災者生活再建支援金

◆被災者生活再建支援金とは

地震等で家が損壊した場合、所定の要件をみたせば「被災者生活再建支援金」を受け取ることができます。

 

これは、被災した地方公共団体ごとに政府が適用の有無を判断するものであり、「基礎支援金」と「加算支援金」の2階建てになっています。

 

対象となるのは、家が「全壊」した場合と、損害割合が30%台の「中規模半壊」以上の場合です。

 

支援金を受給するには、市町村に「罹災証明書」等の所定の書類を提出して申請する必要があります。

 

また、「年齢」「世帯年収」による制限があります。

 

【世帯年収による制限】

・44歳以下:世帯年収500万円以内

・45歳~59歳:世帯年収500万円以内は満額、世帯年収500万円超~700万円以内は半額

・60歳以上:世帯年収500万円以内は満額、世帯年収500万円超~800万円以内は半額

 

内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」より
【図表1】被災者生活再建支援制度の所得制限 内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」より

 

なお、「年収」は【図表2】の計算式によって算出されます。

 

内閣府「被災者生活建支援制度とは?」より
【図表2】被災者生活再建支援制度の年収基準の計算式 内閣府「被災者生活建支援制度とは?」より

 

◆「基礎支援金」と「加算支援金」

上述したように、被災者生活再建支援金は「基礎支援金」と「加算支援金」の2階建てになっています。

 

まず、1階部分の「基礎支援金」は、被害の重さに即して限度額が決められています。

 

1.全壊(損害割合50%以上):100万円(単身世帯は75万円)

2.大規模半壊(損害割合40%台):50万円(単身世帯は37.5万円)

3.中規模半壊(損害割合30%台):支給なし

 

次に、2階部分の「加算支援金」は、住宅の損壊度合い、再建・補修等の必要な処置の度合いに応じて限度額が決まっています。以下の通りです。

 

【全壊・大規模半壊】

・建築・購入:200万円(単身世帯は150万円)

・補修:100万円(単身世帯は75万円)

・賃貸(公営住宅以外):50万円(単身世帯は37.5万円)

 

【全壊・中規模半壊】

・建築・購入:100万円(単身世帯は75万円)

・補修:50万円(単身世帯は37.5万円)

・賃貸(公営住宅以外):25万円(単身世帯は18.25万円)

 

地方公共団体によっては、「被災者生活再建支援金」とは別に独自の支援金等の制度を設けている場合があります。

 

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