お金の交渉では常にシミュレーションを怠らない
頭のなかで考えて、考えて、考え抜く
お金の交渉をする際、打ち合わせをして仲間内ですでに決めていたとしても、先方と会う1分前まで、本当にこれでいいだろうか、もう少しいい配分があるのではないだろうか、といったことを、わたしは最後まで考えます。
あらかじめいろいろなシミュレーションをしていれば、相手が条件や内容を突然変更してきても、柔軟に対応することができます。その人の人間性や性格を分析し、「この人ならこういうことを言うのでは?」とシミュレーションしておくようにしましょう。
数々のパターンでシミュレーションをする
シミュレーションは、どこまでしておけばいいのでしょうか。次の点は押さえておきたいところです。
・金額を下げてきたとき
・期日を変えてきたとき
・シェアの割合を変えてきたとき
・条件をまるごと変えてきたとき
・あるいは断ってきたとき
また、相手の話のなかに嘘がないか、虚偽の内容ではないか、以前と話が変わっていないかなども気をつけます。
これらを想定し、皆がWIN─WINの関係性で終わるように意識してください。
短期でも長期でも売上を上げられるようにしておく
いざというとき頼める人脈を築けているか
経営のことを考えると、短期と長期で売上を上げられるよう、常に準備しておく必要があります。
この日までにいくら調達しなければいけないという短期間でお金が必要なときと、このくらいのスパンでこれくらいずつお金が入ってくる流れをつくれたらいいというときでは、当然売上の立て方の戦略も変わります。
短期で売上が必要な場合
短期で売上が必要な場合、今月末にお金が入るという状況ではもう遅いですよね。
たとえば20日に、「月末までにお金が入ります」と言われても、残り10日間しかありません。先にものを買っていただくとしたとき、自分のところで売れるものを持っているのか、それとも、信用だけなのか、権利なのかで、攻め方が違ってきます。
もしこれが権利による収益なら、「月末までに信用だけでお金を貸してください」ということになります。
また、ものを持っていて月末までに売らなくてはいけないなら、「ごめんなさい! 先買いしてください!」と頼む人を見つけておかなくてはいけません。
ですから、急なときに用立ててくれるブレーン、つまり頼める人を用意しておく必要があります。
長期的に攻めていく場合
一方、長期的に攻めていく場合は、余裕を持ってアプローチできるので、「もし想定している案件が難しかったときにはお願いしますね」と1ヵ月、2ヵ月前くらいから先に話をしておくことができます。
急場でお金をつくるときは、3ヵ月くらい前から先を読んでおき、ジャブを打っておくくらいがいいでしょう。
急な場合でも、できれば1ヵ月くらい前から、「いまがんばっているけれど、難しい場合はお願いしますね」と頼める人に、根回しをしておきます。
中頃にも、「いまがんばっているけれど、結果が芳しくなかったときにはお願いします」と二度伝えたうえで、最後に依頼するのが筋です。