どうする!? 「サラリーマンの副業の確定申告」…ムダな税金を「1円たりとも」払いたくない人のための「新ルール」のポイント解説

どうする!? 「サラリーマンの副業の確定申告」…ムダな税金を「1円たりとも」払いたくない人のための「新ルール」のポイント解説
(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年度分の確定申告の期間が2023年2月16日からスタートします。今回は変更点が多くなっています。なかでも、サラリーマンの副業収入について「事業所得」と「雑所得」のどちらにあたるかという基準について、国税庁から新たなルールが提示されています。そこで、本記事では、新ルールにおける「事業所得」と「雑所得の区別」と、新ルールが抱える課題について解説します。

こんなに扱いが違う「事業所得」と「雑所得」

副業の収入は「事業所得」と「雑所得」のどちらかとして申告しなければなりません。

 

所得金額の計算式だけみれば、いずれも「収入金額-必要経費」です。しかし、副業の収入が「事業所得」とされるか「雑所得」とされるかでは、大きな違いがあります。

 

すなわち、「事業所得」とされると、以下の2つのメリットがあります。

 

1.赤字を他の所得から差し引くことができる(損益通算)

2.青色申告を行うと特典(青色申告特別控除等)がある

 

◆メリット1.赤字を他の所得から差し引くことができる(損益通算)

第一に、事業所得においては、「赤字」が出たら他の所得から差し引くことができるということです。「損益通算」といいます。

 

副業を立ち上げた初年度は、初期投資費用がかさみ、赤字になることが多いのです。

 

その場合、「損益通算」を行うことができれば、税負担を抑え、かつ、手持ちのキャッシュを温存することができます。

 

「雑所得」においては損益通算が認められていません。

 

なお、全部で10種類ある所得類型のなかで、事業所得以外の所得で損益通算が認められているのは「不動産所得」「山林所得」と、「譲渡所得」の一部に限られています。

 

この点で、「事業所得」は「雑所得」よりも有利です。

 

◆メリット2.青色申告を行うと特典がある

第二に、事業所得の場合、「青色申告」を行うと、以下のような特典が得られます。

 

・青色申告特別控除(最高65万円)

・家族への給与を「青色事業専従者給与」として必要経費に算入できる

・「1個30万円未満・総額300万円以内」のモノの購入代金を全額即時償却できる(少額減価償却資産の特例)

・マイナスが出たら翌年度以降10年間にわたり所得金額から差し引くことができる(繰り越し控除)

・マイナスが出たら前年度の所得金額から差し引いて、支払った税金から還付を受けられる(繰り戻し還付)

 

これに対し、「雑所得」はそもそも「青色申告」ができません。

 

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