写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は、フィリピンおよび東南アジア主要国2023~2024年の経済成長予測についてレポートします。

フィリピン…アセアン主要5ヵ国でトップの成長率

国際通貨基金(IMF)は、迫り来る世界経済の減速の中でASEAN-5の経済成長予測を引き下げたにもかかわらず、フィリピンの5%成長予測を維持しました。しかしIMFの予測は、フィリピン政府が設定した +6~7%のGDP成長目標は下回っています。

 

2024年についてのIMFのフィリピン経済予想は、世界経済が底を打ち、政府がインフラや農業開発を含む構造改革を加速。生産性を高め、インフラ投資と教育投資を加速し、デジタル経済を推し進めることで、6%成長すると見ています

 

世界経済見通しの最新版で、IMFは、世界経済の2023年の成長率を2.9%とし、インフレとロシアのウクライナ戦争の継続の中で、2022年の3.4%よりも減速すると見ています。そして、2024年には、世界の成長率が3.1%に回復すると予測しています。また、2023年の ASEAN-5 の経済成長予測を 2022年10 月時点での 4.5% から 4.3% に引き下げました。そして、2024年については、0.2ポイント引き下げて4.7%にしました。

 

フィリピン、シンガポール、マレーシア、ベトナム、インドネシアで構成される ASEAN-5は、2022年通年のGDP成長の着地を5.2%と見ています。フィリピンの2022年、2023年の成長率は、それぞれ7.6%、5.0%で、ASEAN5の中でトップの成長率です。フィリピンのインフレは、2022年に物価上昇率が5.8%に加速した後、今年は緩和すると予想されます。

 

IMFはコモディティ価格の緩和と金融政策スタンスの引き締めに支えられて、インフレ率は2023年に4.7%まで緩やかに低下し、2024年にはフィリピン中央銀行BSPのターゲット(2~4%)の範囲内に収束すると予想しています。

 

一方フィリピン中央銀行(BSP)は、インフレが2024年に 2.8% に緩和する前に、2023年はインフレターゲット(2~4%)を上回る 4.5% になると予想しています。

 

2022年、BSPは政策金利を350bps 引き上げ、14年ぶりの高水準の5.5%に達しました。BSPのメダラ総裁は、2023年の第1四半期にさらなる政策金利の引き上げを示唆しています。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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