「凍結された故人の口座」から預貯金を引き出す方法

今回は、「凍結された故人の口座」から預貯金を引き出す方法を見ていきます。※本連載は、弁護士・本橋光一郎氏らの監修による書籍、『迷わずできる葬儀のあとの手続きのすべて』(大泉書店)の中から一部を抜粋し、遺族にとって必要な「葬儀のあと」に行う手続きを紹介していきます。

通常は法定相続人全員の戸籍謄本等が必要だが・・・

凍結された故人の口座は、原則として遺産分割協議書がなければ出入金できません。しかし、どうしても分割協議前に預貯金が必要な場合は、遺族の代表者が金融機関で手続きを行えば引き出すことができます。ただし、法定相続人全員の戸籍謄本など書類集めに時間がかかることも少なくありません。

 

遺言書の中で遺言執行者が指定されていれば、遺言執行者の証明のみで引き出せることもあります。お金にゆとりがあるなら葬儀費用は立て替え、遺産分割後に精算するのがよいでしょう。

凍結口座から預貯金が引き出せる「緊急の場合」とは?

<葬儀の費用や生活費を引き出す>

 

葬儀会社への支払いや当面の生活費など、緊急を要する場合は相続人全員の同意と必要書類を提出すれば引き出しに応じてくれる場合があります。

 

<遺言執行者が引き出す>

 

遺言書で遺言執行者が指定されている場合、相続人全員の同意や確認できる書類(全員分の印鑑登録証明書など)がなくても預金を引き出せることがあります。

 

<凍結前に引き出す>

 

口座の凍結は、金融機関が名義人が亡くなったことを知ったタイミングで行われるため、口座が凍結される前に必要な額を引き出すことも可能です。ただし、不用意に故人の口座から出金するのはトラブルの原因となるので、相続人全員の同意を取る、何にどれだけ使用したのか記録を残すなどの対応が必要です。

 

本橋総合法律事務所 弁護士

東京弁護士会所属。本橋総合法律事務所を開設。民事事件を幅広く手がけるとともに、とりわけ、相続、遺言、成年後見、離婚などの家事事件についての経験が豊富である。相続判例研究、相続法研修講師なども多く行っている。

著者紹介

連載いざというとき迷わない「葬儀のあと」の手続き

迷わずできる葬儀のあとの 手続きのすべて

迷わずできる葬儀のあとの 手続きのすべて

本橋 光一郎

大泉書店

家族が亡くなったとき、遺された方は悲しみで頭がいっぱいになるものです。手続きのことまで頭が回らないという状況になりかねません。 「故人の口座が凍結されるのはいつ?」 「保険証はどうするの?」 「年金の停止はいつま…

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