(画像はイメージです/PIXTA)

人気が高まっている不動産投資も、親から土地を相続した人・公務員や高所得サラリーマンといった属性の高い人のほうが有利であり、決してハードルは低くありません。しかし、株式投資であれば、属性に関係なく勝負することが可能です。※本記事は『難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください』(自由国民社)から抜粋・再編集したものです。

株式投資の仕組みを理解しよう

株主は「会社のオーナー」である

チンさん:株式会社は資本主義に必須のシステムなんです。この仕組みで資本主義は発展してきました。株式を買うことは会社にその株数だけ出資したことになります。そしてその分だけ株主としての権利を持ちます。つまり儲かった利益の分配をもらうんです。その代わりその会社がダメになったら株式の価値はなくなります。そしてその株式を株式市場で売買することができるようになっています。だから誰でも簡単に株主になれます。

 

河合さん:株式の値段はどうやって決まるんですか?

 

チンさん:その会社がどのくらい利益を上げるか、そして将来性はどうか、競争相手よりも強いか、などで決まります。1分1秒ごとに動いているんですよ。

 

河合さん:じゃあ簡単に売って乗り換えたりできるってことですか? 会社のオーナーとしてはあまりにも軽くないですか? 昨日までは阪神ファンで今日から巨人ファンみたいな。

 

株式会社は優れた監視システム

チンさん:オーナーが簡単に入れ替わるその軽さこそが、会社を健全に保ち資本主義を発展させるポイントなんです。

 

河合さん:それはどういうことですか?

 

チンさん:もしオーナー一族がいて他に株主がいなかったら、オーナー一族は勝手なことをしますよね。中には優れた勤勉な経営者もいるだろうけど、あまり勤勉に働かない経営者も出てくるわけです。そうすると働かない経営者はどうしますか?

 

河合さん:例えば、自分の大学の友達を重役にして、居心地がいい楽しい会社にすると思いますね。みんなでゴルフに行ったり、飲み歩いたり、いやー私もやってみたい!

 

チンさん:そうですよね。人間誰しもそんなに強いわけじゃないから、そうなりますね。でもそうなると会社はどうなると思いますか?

 

河合さん:そりゃあもう社員も働く意欲が低くなってしまうでしょうね。

 

チンさん:そうなると会社はダメになってしまいます。どんなに立派な会社でも経営者が怠け者で経営をしっかりしないと会社はすぐに傾いてしまいます。では、どうすればオーナー一族を監視できると思いますか?

 

河合さん:経営者の親が会長として見張るとか? でも親がなくなるとやっぱり経営者のやり放題になりますね。

 

チンさん:そうなんです。そこで経営者の経営をチェックするシステムとして、株式を市場に上場してたくさんの不特定多数の株主にチェックしてもらう方法にしたんです。経営者が遊び呆けていると、業績が悪くなって株主が株を売って会社から離れてしまいます。株価も下がり、取引先からの信用も失われて警戒されるようになります。そうするとますます業績も悪化して最後には会社は倒産してしまうでしょう。

 

株主の権利は確立されている

河合さん:仕組みはよくわかりました。しかしもし経営者としては立派でも、ケチで株主に分け前を配らない社長がいたら株主は困りますよね。せっかく投資したのにリターンがもらえませんよ。

 

チンさん:そのようなこともあるかもしれませんね。しかし株式会社の歴史が古くて、熟成されている欧米ではそのようなことは起こりません。株主に分け前を渋る会社の株は、みんなが手放すので株価が安くなって経営者が解雇されてしまうからです。欧米では経営者は専門職で、雇われて勤めているのです。

 

河合さん:じゃあ欧米以外では株主にリターンを払わない会社もあるのですか?

 

チンさん:はい、資本主義の歴史が浅い国ではオーナーの力が強くわがままな経営がまかり通っている場合もあります。残念ながら日本も欧米ほど歴史は古くないので、まだ不十分な面はあります。しかし主に気をつけてほしいのは新興国と言われる国々ですね。

【解説】社内留保が500兆円もある日本の会社

会社の利益は、税金を支払ったあとは株主のものです。配当や自社株買い(市場から自社の株を買って発行株数を減らすこと。全体の株数が減るのでその分株主に有利になります)などで株主に配ります。

 

ところが、日本の会社は社内に貯めているお金が約500兆円あります。これは将来の不景気に備えるので必要だという意見もあります。しかし米国の会社は利益をほぼすべて株主に配ります。一概には言えませんが、欧米の会社の方が株主を重視していると私には感じられます。

 

「超優秀な会社」を選ぼう!

河合さん:世界中の会社のオーナーになれるなんて素敵ですね。じゃあ私はiPhoneを使っているからアップルの会社のオーナーになろうかな? チンさんどう思います?

 

チンさん:いいと思いますよ。アップルは世界最大の時価総額で、1つの会社で350兆円ほどです。日本最大のトヨタが36兆円くらいなので10倍近いです。

 

河合さん:でも、そんなに大きいともうこれ以上は大きくなれないかもしれないですね。もっと小さくて誰も知らないような会社の方が伸びしろは大きいですよね?

 

チンさん:いえ、アップルの方をおすすめします。それはすでに大きくてもさらに大きくなることを繰り返してここまで大きくなったからなんです。だからまだ伸びる余地は大きいですし、現に今でもかなり高い成長率を示しています。無名な会社は割安かもしれませんが、その分将来性が不安定なので初心者が投資するには不向きです。とはいえアップルだけだとたとえ優秀でも1社だけに集中するデメリットがあります。インデックス投資ならその欠点を解消します。

【解説】ワイドモートを持つ会社は強い

他の会社を寄せ付けない強みを「ワイドモート」と言います。直訳すると「広い堀」です。日本風なら深い堀と言いますね。深い堀、高い城壁といった感じです。強みの中身は高いブランド力だったり、強い技術力だったり、あるいはグーグルのようにみんなが使っているプラットフォームだったりします。それらがあると簡単には新規の会社が入ってこられませんから、いわば独占状態になって高い利益を生むのです。またマイクロソフトなどのソフトは1万本売るのも1億本売るのもコストは変わりませんから、高い収益が上がるのです。

 

強いワイドモートを持つ会社はハイテク系では上記のアップル、マイクロソフト、グーグル、エヌビディアなどがあります。他には医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル、飲料のコカ・コーラ、ネスレ、外食のマクドナルドなど多数あります。

 

 

チンさん凡人投資家 兼 YouTuber

難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください

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チンさん凡人投資家

自由国民社

70歳投資ユーチューバーが教える! 老後のお金の作り方大公開。 老後のお金は株式インデックス投信の長期積立1択です! 米国株でも、日本株でもなく、また、債券などを組み入れた投信でもなく株式による投信の長期積立が…

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