(画像はイメージです/PIXTA)

老後資産の形成のため、預貯金に励んでいる人は多いはず。しかし、現金は長く保有するほど「目減りする」のをご存じですか? また、資産分散のために多くの人がチャレンジしている不動産投資にも、多くの注意点があります。具体的に見ていきましょう。※本記事は『難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください』(自由国民社)から抜粋・再編集したものです。

不動産投資は「新規参入」で失敗するケースが多い

河合さん:現金の価値は減っていくとなると、増えていくものは何ですか?

 

チンさん:経済を発展させるために通貨の供給量を増やすわけです。だから経済の発展とともに増えるものを保有すればいいです。大きく分けて不動産と株式です。

 

河合さん:詳しく教えてください。

 

チンさん:現代社会では経済の発展は都市の発展です。つまり、商業地域やオフィス街が発展していきます。さらにそれに近い住宅地の価値が上がっていきます。それらの土地や建物に投資するのが不動産投資です。都市の発展は続くので、不動産への投資は有力です。

 

河合さん:マンションとかアパートを持っていれば働く必要はないですものね。羨ましい。

 

チンさん:そうですね、あとは駐車場なども収入を生み続けます。しかし親の代から土地を保有していれば問題ないですが、新たに土地を買うとなるとたくさんの資金が必要です。また不動産は場所によって価値の動きが大きく変わります。

 

河合さん:すみません。不動産投資をしたことがないもので…。

 

チンさん:例えば、大きな会社や学校が移転するとその場所は寂れてしまいます。だから場所の選定がとても重要になります。

 

河合さん:なるほど…。

 

チンさん:不動産投資は新規に参入するには失敗が多い投資なのです。現に多くの会社員が『ワンルームマンション』などへの投資で身動きがとれなくなっています。その理由は不動産投資では一部の頭金だけで物件が保有できるので大きなリスクを背負ってしまうからです。

 

河合さん:会社の同僚にもワンルームマンションにハマって困っている人がいます。かわいそうです。

 

チンさん:不動産投資は魅力的ですが簡単に取り組めるものではないです。自分の事業として一生取り組むくらいの気持ちがあれば別ですが、それでも十分な準備が必要です。

 

不動産投資は「立地」が何より重要

チンさん:不動産物件は立地が非常に重要です。そして、物件ごとの価値を見分ける力が必要です。大規模なマンションで間取りが同じならほぼ同じ価値ですが、それでも階が違えば微妙に価値が異なったりします。

 

河合さん:確かに、私の今の住まいがマンションですが、階によって少しずつ購入金額に差がありました!

 

チンさん:そのとおり! 買う時期・売る時期によっても大きく価値が違います。大都市のマンションを自宅用に買うのは、資産運用とは言えないかもしれませんが、それでも大都市では住居需要が高く、価値が下がりにくいですし、投資用マンションよりも失敗は少ないでしょう。

 

◆借り入れができるのが魅力でもあり、怖い点でもある

チンさん:米国では不動産投資の利点は借入金(他人のお金、otherpeople’s money)が使えることが最大の長所と言われています。米国の不動産は基本的には右肩上がりで価格が上昇します。それは古い木造住宅でも同様です。

 

したがって立地さえ良ければ米国では不動産投資は素人にも取り組める難易度が低い資産運用です。自宅用でも買った時より高く売ってさらに大きな家を購入することも一般的です。

 

◆不動産投資、人口が急減する日本では基本「厳しい戦い」に…

チンさん:米国の人口は2050年には現在の3.3億人から3.8億人になると予想されています。それに対して日本は人口減少が激しいです。

 

河合さん:どのくらい減るのでしたっけ?

 

チンさん:2050年には約1億人にまで減少するといわれています。

 

河合さん:うわ…。結構減るんですね。

 

※世界経済のネタ帳をもとに著者が作成 https://ecodb.net/exec/trans_country.php?d=LP&c1=US&c2=JP ※当該ページによると、日本の人口の破線部分は「IMFによる2020年4月時点の推計」
[図表]人口の推移※世界経済のネタ帳をもとに著者が作成 https://ecodb.net/exec/trans_country.php?d=LP&c1=US&c2=JP
※当該ページによると、日本の人口の破線部分は「IMFによる2020年4月時点の推計」

 

チンさん:しかも38%が65歳以上の高齢者ですが、高齢者は新たな不動産を買う人が少ないので、不動産投資には厳しい状況です。人口が減ると日本全体としては供給が需要を上回ります。都市の一部を除いて需給バランスが崩れるので中古物件の値崩れが激しいです。

 

◆新築を好む日本人の国民性も、不動産投資を難しくする?

日本人は国民性として中古住宅より新築住宅を好みます。したがって日本では中古住宅の値段は下がりやすいです。東京などの一部を除いて住宅価格の上昇は難しいですから、日本では資産運用としての住宅取得は有利ではありません。

 

一方欧米では中古住宅の人気が高く住宅は中古でも値上がりしていくので資産運用の柱として活用できます。住宅の取引に占める中古住宅の割合は、日本では15%なのに対して米国では90%を越えています。

 

 

チンさん凡人投資家 兼 YouTuber

難しいことはわかりませんが、老後のお金の作り方を教えてください

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チンさん凡人投資家

自由国民社

70歳投資ユーチューバーが教える! 老後のお金の作り方大公開。 老後のお金は株式インデックス投信の長期積立1択です! 米国株でも、日本株でもなく、また、債券などを組み入れた投信でもなく株式による投信の長期積立が…

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