時の権力者すら手玉に…「M資金」で日本経済界の重鎮たちを狂わせた“稀代の女詐欺師”驚きの手口

時の権力者すら手玉に…「M資金」で日本経済界の重鎮たちを狂わせた“稀代の女詐欺師”驚きの手口
(※写真はイメージです/PIXTA)

第二次世界大戦下、敗戦濃厚と判断した旧日本軍の一部が、連合国に押収されるのを嫌って極秘に保管したといわれる「M資金」。陰謀論とさえいわれるこの巨額の財産を巡り、戦後から現在にかけて多くの詐欺事件が発生しています。本記事ではライターの藤原良氏が、「M資金」をエサに荒稼ぎした女詐欺師たちの手口と、その女詐欺師に騙された権力者の顛末を紹介します。

権力者を手玉に取る女詐欺師たちの手口

初期のM資金詐欺事件で、全国指名手配された山崎勇の背後には後に世界平和連合会の会長を務めることになる女性・猪島リツが、黒幕として存在していたとも言われている。

 

男たちが権力を握る日本経済界で、彼女たちはどのようにして詐欺を働いたのか? 女性犯罪者が使う手段として、非常にポピュラーなのがハニートラップである。

 

生き馬の目を抜く経済界で生き残った獰猛な男たちに臆することなくハニートラップを仕掛け、男たちの情を操り、金を引き出す手段としたことは『岩合直美』という稀代の詐欺師の事例がわかりやすい。

 

1980年代後半、裏社会を震撼させた高島屋の取引詐欺で一躍名を馳せた美人詐欺師・岩合直美は2015年頃からM資金詐欺をはじめた。詐欺師業界では、岩合直美が詐欺師人生『最後のヤマ』としてM資金詐欺に手を伸ばしたと言われていた。

 

M資金詐欺を企てたほとんどの女詐欺師たちは当局によって逮捕されているが、岩合直美だけはM資金詐欺関連での逮捕はいまだにない。

 

 

藤原 良

作家、ライター

 

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※本連載は、藤原良氏の著書『M資金 欲望の地下資産』(太田出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

M資金 欲望の地下資産

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藤原 良

太田出版

「私達のM資金は本物です」 「やっぱりあれはあったんですね……」 昭和から次々と大企業経営者たちが飲み込まれてきた「M資金詐欺」。 令和にもなお黒く輝き続ける“幻”の正体を追う。

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