福利厚生の一部としても役立つ企業型確定拠出年金
一方、企業型確定拠出年金では、その口座管理料を原則法人が全て負担します。加入者の従業員に当然喜ばれますから、福利厚生を充実させたい経営者にとっても有効な制度といえるでしょう。
また、すでにiDeCoに加入している経営者も、今までiDeCoで貯めてきた資金を、そのまま企業型確定拠出年金に移換することもできます。
いかがでしょうか。ここまでの内容をお伝えし終えると、経営者の方々からこんな反応が多数寄せられます。
「自分自身が早くこの制度を使いたい!」
「手続きはどうやってやるのか、早く教えて!」
大学卒業後、証券会社、IFAなど一貫して資産運用のアドバイス業務に携わってきましたが、何かを提案したときに、ここまでの前のめりさを感じることはそう多くありません。
次の項では、経営面でのメリット、会社の福利厚生の充実も図れますよ、というお話をします。
これからの時代、福利厚生の充実は、いい人材を維持・確保していくためには必須になってくるに違いありません。
導入事例|求職者や従業員のニーズに対応するため導入を決めたITベンチャー
B社は、2009年に設立され、今急速に成長しているITベンチャーです。人事総務の担当者は、採用面接の際や、従業員から確定拠出年金について聞かれることが多くなってきているのを実感していました。
Bは革新的なサービスを扱っており、将来上場を視野に入れているような会社なので、大企業からの転職志望者も多いのです。大企業においては、企業型確定拠出年金を導入済みの企業が多いので、すでに確定拠出年金として資産を保有している人が大半です。
面接時に、求職者からの質問で「御社は企業型確定拠出年金を導入していますか?」という質問をされたことがあります。導入していません、と答えると、「なぜですか?」と聞かれ答えに困ったそうです。
また、従業員からも、「iDeCoをやりたいんですが」という問い合わせも増えてきており、確定拠出年金への関心の高まりを感じていました。いろいろと調べていく中で、おそらく時代の流れ的に、今後ますます確定拠出年金について聞かれることも増えてくるのではないかと人事総務の担当者は感じていました。
そんな状態のときに、B社の顧問会計士より私の会社にご紹介がありました。
人事総務の担当者は、企業型確定拠出年金について知ってはいましたが、実際に導入するとなると、どのような手続きを踏めばいいのか、どのような流れになるのかなどはわからないという状況でした。
また、社内での決議を取るために、経営陣にどのように伝えていけばいいかもわからず、日々業務多忙な中で、企業型確定拠出年金については後回しになっていました。
そこで、まず役員を含めた企業型確定拠出年金に関する社内勉強会を提案しました。経営陣に企業型確定拠出年金の理解を深めてもらい、人事総務担当者が感じていることを伝える機会を作りました。
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