「手取りが490万円も増えるなんて!」医療法人理事長も啞然…マイナーだがおトクすぎる「公的制度」の驚くべき威力【事例あり】

「手取りが490万円も増えるなんて!」医療法人理事長も啞然…マイナーだがおトクすぎる「公的制度」の驚くべき威力【事例あり】
(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの経営者にとって「企業型確定拠出年金」は大変おトクな制度ですが、まだまだマイナーであり、そのメリットが十分に理解されていません。それどころか、誤解されているといっても過言ではありません。「デメリット」とされている点も、よくよく検証すればメリットの一部とさえいえます。本記事は、ある医療法人理事長の事例を紹介しながら、企業型確定拠出年金のメリットを「デメリット」とされている点も含め解説します。

「確定拠出年金」を受け取るときのメリット――一括であれば退職金扱い、分割であれば公的年金等扱いで、それぞれ税制優遇

最後に、給付時、すなわち確定拠出年金を受け取る際のメリットについてご紹介します。

 

確定拠出年金は、受け取り時に、今まで貯めてきたものを「一括」で受け取るか、「分割」で受け取るかを選択することができます。

 

一括と分割、どちらを選べばいいのか迷いますよね。

 

まずは一括で受け取るときのメリットです。一括で受け取る場合は、退職金扱いで受け取ることができます。退職金というのは、以下のメリットがあります。

 

  • 退職所得控除
  • 退職金から退職所得控除を引いた額を、さらに2分の1に圧縮
  • 分離課税

 

退職金に関しては、税金計算から控除できる控除枠が用意されています。確定拠出年金を活用している期間をAとすると、

 

  • 20年以下 40万円×A
  • 20年超 800万円+70万円×(A−20年)

 

この金額を控除することができるのです。

 

そして、さらに控除した後のものを「2分の1」に圧縮できます。

 

最後に、それらはそのときの所得とは合算されず、分けて税金を計算できます。

 

具体的に、40歳の社長が60歳まで5万5,000円積み立てて、5%で運用できたときの場合で計算してみましょう。

 

このケースの場合、60歳時点で約2,260万円になっている計算です。その場合の税金を計算してみましょう。

 

まず、20年間確定拠出年金を活用しているので、①の退職所得控除は、40万円×20年=800万円なので、2,260万円−800万円=1,460万円です。これを2分の1にできるので、1,460万円÷2=730万円になります。

 

730万円が課税の対象になる金額です。

 

[図表1]退職金にかかる所得税の税率表

 

[図表1]に基づいて所得税を計算すると、

 

(730万円×23%−63万6,000円)×102.1%=106万4,903円

 

そして住民税は、730万×10%=73万円

 

2,260万円に対して、約180万円の税金で受け取れるという形です。2,260万円に対して、約7.9%の税金です。その他の税金と比べても、退職金扱いで受け取ることのお得さは際立っていますね。

 

分割で受け取る際は、公的年金等扱いで受け取ることができるので、公的年金等控除があります。このように、受け取り時にもお得が用意されています。

 

以上、企業型確定拠出年金の3つのメリットを見てきました。

 

「一度入れたら60歳まで出せない!」という使い勝手の悪さを補ってあまりあるメリットを理解していただけたのではないでしょうか。

次ページ導入事例|役員報酬の節税対策のために導入した医療法人
頭のいい会社はなぜ、企業型確定拠出年金をはじめているのか

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岩崎 陽介

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