デジタル化の2歩目は「データ活用による改善・改革」
デジタル化の第2歩目は、「データ活用によるビジネスプロセスの改善」や「データ活用による新たなるビジネスモデルの創出」ということになっていきます(「デジタライゼーション」)。
多くの企業はすでに、「POSデータ」や「eコマース取引データ」、「設備稼働ログ」といったビッグデータを保有し、決済や決算など業務で不可欠な処理はITシステム化されています。
ただし、これらのデータにはもっと付加価値がある「宝の山」にもかかわらず、それが活かしきれていないというジレンマがありました。
進むデータサイエンス分野の技術革新…DX人材の育成が急務
しかし、統計処理や機械学習などのデータサイエンス分野の技術革新が進み、宝の山から宝を掘り起こせる状況に変化。そうなると次の問題は、データサイエンスがわかる技術者、いわゆる「データサイエンティスト」の人材不足です。
データサイエンス自体が新しい分野なので人材不足は当然ですが、データサイエンティストは技術だけでなく業務知識も持つ必要があります。
仕様書通りにプログラムを作るプログラマーと違い、大量のデータから隠れた価値を創出するには、技術力だけでなく、データの意味もわからないといけません。多くの企業が技術とビジネスの両方の知識を持つDX人材の育成に努めています。
経営者がDXを知ることは「抜本的改革」のチャンス
「経営者としてなにを変革するか」という目的を定め、デジタル(IT)技術という手法を駆使するために、「DXによってなにができるか」をしっかり押さえる必要があります。
ITが専門外である経営者であっても、知的好奇心さえあればインターネット上にわかりやすい情報はいくらでもあり、いつでも参照できます。
なにからアクセスすればいいかわからない方は、まず「DXレポート」を読んでみることも有効です。そこで基本的な情報を得たうえで、周りの有識者とコミュニケーションをとることでやれることが見えてきます。
DXを進めるうえで内部に信頼できる相談相手を作ることは重要ですし、必要に応じて外部リソース(ITベンダー、コンサル会社)を活用することも有効です。ただし、やるべきことが明確でない状態で外部リソースに頼っても、成果を出すのは難しいと思います。
担当者に丸投げするのではなく、重要事項の会議には経営者自ら参加するなど積極的にコミュニケーションをとることをおすすめします。
経営者として、「DXムーブメント」を自社の抜本的な経営改革につなげるいいチャンスだと捉えることが重要です。
坪井 正志
沖電気工業株式会社
専務執行役員/デジタル責任者(CDO)
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