PERが低い銘柄のほうが株価上昇の期待が高い
企業を取り巻く経済環境や企業の業績をチェックしたら、次にその株の価格を見ます。たとえ業績がよくても、すでに人気化して「割高」になっていては、上昇の余地は少ないか、下落の可能性すら高くなっているかもしれません。
業績から株価水準を計るモノサシにPER(株価収益率<かぶかしゅうえきりつ>)があります。
PERは現在の株価が「1株当たりの当期純利益」の何倍の水準にあるかを求めた数値です。つまり株価が1株当たりの利益の何倍まで買われているか、ということです。倍率が小さいほうが割安になります。
たとえばA社の株価が400円で1株当たりの利益が20円だとしたら、PERは20倍になります。B社の株価が500円で1株当たりの利益が50円だとしたらPERは10倍。
PERで判断したらB社株のほうが割安ということになります。一概には断定できませんが、PERが低い銘柄は上昇余地が大きく、下落する確率は低いことになります。株価や1株当たりの利益が変化すればPERも変化してきます。
業績予想を基にした「予想PER」を重視する
ただ、ここで注意したいのは、PERは過去の当期純利益を元に算出したものではなく、を重視したいということです。株価は将来を見据えて動くからです。
そのため「予想PER」は、当期純利益の「業績の予想修正」があったときは、当然のことながら数値に変動が出てきます。企業のHPなどで見逃さないようにしましょう。
【PERで割安・割高をチェック】
【ワンポイントアドバイス】
PERは業種によって高い、低いといった傾向が出てきます。IT関連など将来の成長を期待される業種のPERは高くなりがちです。
一方、オールドエコノミー(従来からあるビジネス)に分類される企業のPERは低くなりがち。同業他社とPERを比較して、割安・割高を判断しましょう。
【ひとくちMEMO】
業績の予想が修正される目安は、前回予想値と今回予想値の変動率が「売上高」は10%以上、「経常利益」は30%以上、かつ予想値の差が純資産と資本金の額の多い額に対して5%以上であること、「純利益」は30%以上、かつ予想値の差が純資産と資本金の額の多い額に対して2.5%以上であること。