(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人が、他人とのコミュニケーションに関して「自分から声をかけられない」「声が通らない」「人前で話すのが苦手」といった悩みを抱えています。本連載では、元アナウンサーでスピーチコンサルタントの阿部恵氏が、著書『1日1トレで「声」も「話し方」も感動的に良くなる』から、声や話し方を改善するための、誰でもできる簡単なトレーニングについて解説します。

身の周りでも広く使われている「オノマトペ」

「オノマトペ」とは、自然界の音や声、物事の状態や動きなどを、音で象徴的に表した言葉のことです。日本語では、「擬音(ぎおん)語」、「擬態(ぎたい)語」、「擬声(ぎせい)語」などとも言います。

 

わかりやすい例で言うと、鳥や動物の鳴き声である「ワンワン」「ニャーニャー」「チュンチュン」「ブーブー」「モー」「コケコッコー」などですね。

 

オノマトペは、古くは古事記や万葉集からも使われており、『伊豆の踊り子』『金閣寺』など川端康成や三島由紀夫らの文学作品にも、そして、『ゴルゴ13』といった人気漫画でも使われています。『日本国語大辞典(第二版)』(小学館)に掲載されている50万語の日本語のうち、約1%の5000語ほどオノマトペがあると言われています。

 

私の家の中をぐるりと見渡しても、机の上にあるメガネ拭きには「ふきふき」(小林製薬)と書いてあり、冷蔵庫には「プッチンプリン」(グリコ)や「ガツン、とみかん」(赤城乳業)といったデザートやアイス、「熱さまひんやりやわらかアイス枕」(小林製薬)がありました。私たちの身の周りでは、実にたくさんのオノマトペが使われていることがわかります。

 

オノマトペは相手にイメージを喚起させやすいため、発表やプレゼンなどでも効果があります。アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは、「オノマトペの魔術師」とも言われ、実際にプレゼンでは「ブン」とか「ボン」といったオノマトペを使って、聞き手の想像力を膨らませ、惹きつけたと言われています。

 

■今日の1トレ

「オノマトペ」を使って話す

 

朝ごはん、外に出たときの様子、電車で感じたこと、1日1つ、オノマトペを使って話してみましょう。楽しみながらたくさんの表現が身につくはずです。

 

イラスト:坂木浩子
[図表1]オノマトペを使って話す イラスト:坂木浩子

 

 

阿部 恵

合同会社Confill

代表

 

1日1トレで「声」も「話し方」も感動的に良くなる

1日1トレで「声」も「話し方」も感動的に良くなる

阿部 恵

日本実業出版社

1日に1つのトレーニングを続けるだけで、 ・声が通るようになる ・伝わる話し方になる ・感じのいい話し方になる! ●声と話し方の悩みを解決します ・声が小さくて… ・なぜか声が通らなくて… ・いつもうまく話が伝…

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