身の周りでも広く使われている「オノマトペ」
「オノマトペ」とは、自然界の音や声、物事の状態や動きなどを、音で象徴的に表した言葉のことです。日本語では、「擬音(ぎおん)語」、「擬態(ぎたい)語」、「擬声(ぎせい)語」などとも言います。
わかりやすい例で言うと、鳥や動物の鳴き声である「ワンワン」「ニャーニャー」「チュンチュン」「ブーブー」「モー」「コケコッコー」などですね。
オノマトペは、古くは古事記や万葉集からも使われており、『伊豆の踊り子』『金閣寺』など川端康成や三島由紀夫らの文学作品にも、そして、『ゴルゴ13』といった人気漫画でも使われています。『日本国語大辞典(第二版)』(小学館)に掲載されている50万語の日本語のうち、約1%の5000語ほどオノマトペがあると言われています。
私の家の中をぐるりと見渡しても、机の上にあるメガネ拭きには「ふきふき」(小林製薬)と書いてあり、冷蔵庫には「プッチンプリン」(グリコ)や「ガツン、とみかん」(赤城乳業)といったデザートやアイス、「熱さまひんやりやわらかアイス枕」(小林製薬)がありました。私たちの身の周りでは、実にたくさんのオノマトペが使われていることがわかります。
オノマトペは相手にイメージを喚起させやすいため、発表やプレゼンなどでも効果があります。アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは、「オノマトペの魔術師」とも言われ、実際にプレゼンでは「ブン」とか「ボン」といったオノマトペを使って、聞き手の想像力を膨らませ、惹きつけたと言われています。
■今日の1トレ
「オノマトペ」を使って話す
朝ごはん、外に出たときの様子、電車で感じたこと、1日1つ、オノマトペを使って話してみましょう。楽しみながらたくさんの表現が身につくはずです。
阿部 恵
合同会社Confill
代表