話が噛み合うよう語尾を「質問型」にしてみる
「話が噛み合わない」と感じたことはありませんか?
お友達同士、気心が知れた同僚、家族であれば普通に話せるのに…。
どうして話が噛み合わない人がいるのでしょう。
自分と仲のいい友人は、趣味や嗜好が似ている場合が多いものです。また、いつも一緒に暮らしている家族は、“あうんの呼吸” で意思疎通できます。
しかし、仕事や、いつもとは違うコミュニティでは、世代や好みも違います。経験や知識量の異なる人と会話をするケースもあります。すると、しばしばこの「会話が噛み合わない」状況が生じます。
突然ですが、東京の渋谷駅をご存知の方にうかがいます。
東京以外の方でしたら、あなたの住んでいるエリアの一番大きな駅をイメージしてもらっても構いません。
大阪駅、名古屋駅、博多駅…。その駅名を聞いたときに、真っ先に頭に浮かぶ場所はどこでしょうか?
「渋谷駅、といったらどの場所をイメージされますか?」という質問を、私はこれまでセミナーや研修などで、500人以上の方にしてきました。すると、このような順番でした。
1. 「スクランブル交差点」
2. 「109」(商業施設)
3. 「ハチ公前」
4. 「ヒカリエ」(渋谷駅東口駅ビル)
5. 「マークシティ」(渋谷駅西口駅ビル)
一番回答の多かった「スクランブル交差点」は、NHKの夜のニュースや天気予報でも、「今の渋谷の映像です」と、よく映し出される交差点です。これ以外にも「バスターミナル」「モヤイ像」「渋谷センター街」と答えた方もいました。
私は「渋谷駅といえば、ハチ公前」と勝手に思っていたので、この回答にはびっくりしました。
「渋谷駅のイメージはどこ?」と同じ質問をしたにもかかわらず、人によってイメージする場所がバラバラだったのです。
自分に当たり前のことは他の人にはそうではない
私がセミナーや研修で、この質問をするようになったのは、理由があります。
以前、渋谷駅で友人と待ち合わせをして、30分ぐらい出会えなかったことがあったからです。それぞれが「渋谷といえばココ」とイメージする場所が違ったのです。
今はスマホがありますので、このようなことは起きないかもしれません。そのときに思ったのが「前提条件を揃えることが大切なのだ」ということです。
これは会話についても同じことが言えます。
話をするときに、まず前提条件を揃えます。
単なる「渋谷駅」と言うのではなく、「渋谷駅のハチ公前で待ち合わせしましょう」のように。必ず相手が、その他の選択肢を考えられないような前提条件を揃えることが必要となってきます。
そして、「あれ、話が噛み合ってないかも?」と思ったら、相手に質問してみるなど、確認してみてください。