資産運用で成功する人に共通していること
筆者は、世界情勢や経済情勢が目まぐるしく変化するなかで、35年近く資産運用の仕事に携わってきました。そして、プロといわれる年金基金や金融法人等の機関投資家から、さらには一般生活者まで、幅広い投資家をみてきました。
その経験のなかから、プロであっても一般生活者であっても、資産運用で成功する人が実践していることのいくつかを紹介したいと思います。
1つは、「感情を排除すること」です。 成功者は、そのときどきの感情に流されることなく、決めた運用方針に沿って淡々と運用します。
たとえば、下落局面において、さらに値下がりするのではないか、といった「不安」から保有する株式等を売却したり、株式相場が盛り上がってくると「乗り遅れまい」という焦りから慌てて購入したりするなど、感情を取引動機にすることはありません。
逆に、相場付きによって右往左往する投資家は、機関投資家であってもよい成果を生むことはありませんでした。
次に、投資手法が「シンプルであること」です。なぜなら、複雑な投資手法は、複雑であるが故に長く続けることが難しく、また、中身がわかりにくい複雑な金融商品等は、サブプライムローン問題を発端としたリーマン・ショック、金融危機を招いたように、商品設計時の前提条件が崩れたときに、大きなマイナスを被るリスクが高いからです。
では、このたった2つのことを実践するためには、何を心掛ければよいでしょうか。 答えは、逆に「やらないことを決める」です。
たとえば、感情を排除し、シンプルな投資を続けるためには、
・不安を感じて売る
・たくさんの金融商品を買う
・金融機関のお勧め商品を盲目的に買う
・複雑な金融商品を買う
・予測・市場タイミングに賭ける
・頻繁に乗り換える
・税制優遇を理由に売買する
などをやらない、と決めるのです。これだけで、かなり成功の可能性は高まると考えます。 投資(資産運用)にとって、「理性は友・感情は敵」、そして「シンプルさは成功の要」なのです。
そして、投資(資産運用)に付きまとう不安感を解消するためには、何よりも長期の視点を持つことが欠かせません。
「今後10年間市場が閉鎖しても喜んで持ち続けることができる株式を買いなさい」
これは、世界的に著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏の言葉です。このメッセージには、3つの意味があると考えます。
1つ目に、短期的な株価(価格)変動に一喜一憂してはいけない。
2つ目に、(目先の業績ではなく)10年後に価値が高まっている会社の株式に着目し、投資する。この間の株価変動を気にすることは、時間の無駄である。
そして最後に、リターンの元となる投資する会社の本源的価値は、時間をかけて成長する、です。
お客様から、長期投資の期間とは何年をいうのですか、という質問をよく受けます。 景気サイクルがある程度循環する10年以上などと答えるのが一般的かもしれませんが、筆者の答えは、「投資(資産運用)に期限を設けない。投資の期間は無期限である」 です。
なぜなら、会社が持続的に成長する経営努力を続ける限り、その実体としての価値の増幅に終わりはないからです。
鎌田 恭幸
鎌倉投信株式会社
代表取締役社長
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