コロナによる接触忌避の影響もあり浸透した「QRコード決済」。かつては苛烈なキャッシュバック還元率を競う「ペイ戦争」もありましたが、今は勝ち残った数社で市場をシェアしている状態です。それぞれにはどんな特徴があるのでしょうか。※本連載は、経済ジャーナリストの酒井富士子氏の著書『キーワードでまるごとわかる お金の教科書』(株式会社Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

【QRコード決済の注意点】バッテリー、電波の確認を

利用できるのはスマホを通信しながら使える場所

画面にQRコードを表示しなければならないため、バッテリー切れなら使えません。電波が届かない場所でも利用不可です。

 

QRコード決済には2つの方法があります。1つは、消費者提示型(ストアスキャン)といって、ユーザーがアプリを立ち上げてQRコードを表示し、店舗がコードリーダーで読み取るもの。手間がかからず、簡単です。お店にとっては導入コストがかかるため、この方法を採用しているのは主に大型小売店やチェーン店になります。

 

もう1つは、店舗提示型(ユーザースキャン)です。店舗が提示するQRコードをユーザーがスマホで読み取り、金額を入力し、支払いするもの。導入コストがかからないため、小規模店舗やフードトラックではこの方法を採っています。ユーザーが自分で金額を入力しなければならないので、最初は戸惑うかもしれません。

 

QRコード決済ではチャージした額までしか使えないので、使い過ぎの心配はあまりありません。しかし、スマホの使用が前提のため、いくつか注意点があります。

 

まず、電波が届かないところでは利用できません。バッテリー切れでも使えません。ですから、外出時は他の支払い方法もあったほうが安心です。

 

また、支払いをするときは、レジに並ぶ前にアプリを立ち上げて準備しておくことをおすすめします。アプリの起動に時間がかかることがありますし、再ログインが求められることもあります。チャージ額が足りないこともあるでしょう。スムーズな会計のために、事前に立ち上げておきましょう。

 

セキュリティにも気を付けてください。勝手に使われることがないように、スマホには必ず画面ロックをかけておきましょう。また、機種変更の際はどのような対応が必要か、各サービスのホームページを事前にチェックしてください。

 

[図表2]

 

[図表3]

 

注意1 通信環境やバッテリー切れ

通信環境が悪く電波の届かないところでは利用できない場合も。スマホのバッテリー切れでも利用不可。

 

注意2 レジに行く前にアプリを立ち上げ準備

アプリの自動更新などにともない、再度ログインが必要になる場合がある。アプリ起動に時間がかかることもあるため事前の準備を。

 

注意3 機種変更するときはデータを引き継ぐ

新しくスマートフォンを購入したなど、機種を変更する場合は、アプリの情報を引き継ぐ必要がある。各社公式サイトなどで確認しておくこと。

 

 ★Point 

 

□ チャージ額の不足や再ログインに備え、レジに並ぶ前に起動する

□ スマホに画面ロックをかけ、他人に使われないように気を付ける

 

 

酒井 富士子
経済ジャーナリスト

キーワードでまるごとわかる お金の教科書

キーワードでまるごとわかる お金の教科書

酒井 富士子

学研プラス

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