発言させるだけでは「ファシリテーション」といえない
Q.「ファシリテーション」とはなにか簡単に教えてください。
関戸「FAJの言葉を借りると、人々の活動が容易にできるように支援し、うまく舵取りすること、となりますね。話し合いにはプロセスとコンテンツという2つの構成要素がありますが、ファシリテーターはそのプロセスの部分を司ります」
小堀「一言でいえば、『腹落ちを作るスキル』ですね。ファシリテーションスキルはパソコンのオペレーションシステム(OS)のようなものだ、と表現する人もいます。人と協働しながら活躍する人のなかにべースとして備わっていて、そこにいろんなスキルを上乗せしていくというイメージです」
津田「討論番組なんかで、ただそれぞれに順繰りに主張をさせている人をファシリテーターと言っていたりしますが、それだけではファシリテーションとはいえないと思っています。参加者の考えを引き出しつつ、そこから納得解を生み出す。だからこそ皆で次の行動に踏み出すことができるんですよね。それこそがファシリテーションの効果だと考えています」
会議の“視点”が変わる…ファシリテーションの魅力
津田「もともと、僕自身がその場のコンテンツに興味があるかどうかで、話し合いに臨むスタンスが左右される部分が多かったのですが、ファシリテーションに触れるようになってから、別の視点を持って参加できるようになったと感じています。
まぁ並行して年も取っているわけで、そっちの要素も大きいとは思いますけどね。自分の意見が採用されるかどうかではなく、場としてどんな答えを出し、どうチームとして進んでいけるかを考えられるようになったんじゃないかと思います」
小堀「人と一緒に取り組むことがスムーズになるので、生活が楽しくなります!」
関戸「いままでイライラしていた話し合いがすんなり流れていく経験が気持ちいいですね。そのために、会議のときに板書してみたり、参加者の発言量をみてちょっと声掛けをしてみたり……少しずつやってみると、進み方が変わると思うのでぜひやっていただきたいですね」