経済産業省が発信する、3段階にわけた「DX」とは?
経済産業省が発表している「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』」によれば、「DX」は企業の成熟度に応じて3つの段階に分けることが出来ます。
第2段階 デジタライゼーション
第3段階 デジタルトランスフォーメーション(DX)
特に最初の2つは言葉が似ていてわかりづらく、資料によっても微妙に解釈が異なることが多いため、注意が必要です。
■第1段階 デジタイゼーション
端的にいえば、「作業レベルのデジタル化」と考えてよいでしょう。書類を紙で保管するのをやめてスキャンしてPDF化する、脱ハンコ、PDF書類のクラウド保管、FAX受注の転記入力をやめてOCR化(紙や画像ファイルに書かれている文字を、コンピュータで利用できるデジタルデータに変換する技術)、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)活用による転記廃止等が挙げられます。
■第2段階 デジタライゼーション
こちらは「業務レベルのデジタル化」と解釈出来ます。もちろん、業務には作業を含むため、デジタイゼーションはデジタライゼーションの一部です。たとえば、書類を印刷せずにPDF保管し、ハンコの押印をやめるというのがデジタイゼーションとするならば、ワークフローサービスを導入し、そもそも紙ベースの書類自体を廃止し、権限に応じたフロー設定をすることで承認プロセスという業務を見直すことで、ハンコという概念自体を無くすというのがデジタライゼーションといえるでしょう。
■第3段階 デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタライゼーションをさらに推進し、組織やビジネスモデルの変革まで行うものが「DX」です。前2つの言葉のように説明するならば、「企業レベルのデジタル化」といえるでしょう。
音楽ショップを例にとると、人間が店頭でCDを販売していたお店をECサイトに移行することで新しい付加価値を生むまでがデジタライゼーションですが、デジタル化された音源ということを元にすれば、そもそもCD自体が不要となり、音楽配信サービスを開始するというのがデジタルトランスフォーメーションとなります。ただし、明確な線引きがあるわけではなく、デジタライゼーションと「DX」の区分も人によって解釈が異なるというのが実情です。