ハンセン指数 19,441.18 pt (▲0.40%)
中国本土株指数 6,652.95 pt (▲0.80%)
レッドチップ指数 3,642.95 pt (+0.59%)
売買代金1,650億0百万HK$(前日2,229億8万HK$)
米国が金利見通しの不透明さから、市場は伸び悩み
来週に米インフレ統計の発表を控え、米株式市場は伸び悩んでいる。11月は、米FRBの利上げペースが鈍化するとの期待を背景に、株価は反転上昇し、S&P500は約3ヵ月ぶりの高値に戻したが、ここにきて足元の経済指標の堅調さから、インフレ圧力が確認され、市場の金利見通しは不透明になってきている。
昨夜は、11月の米雇用統計に続いて、米供給管理協会(ISM)がサービス部門PMIを発表した。PMIは事前予想を上回って、金融引締めは長期化するとのパウエル議長の発言を裏付けるもので、金利シナリオは株式相場に厳しいものになるとの懸念が再燃した。
先週のパウエルFRB議長やバー副議長の発言は、12月FOMCでこそ利上げ幅を50bpsに縮小する可能性があるものの、政策金利は長期間にわたり高止まりすることが触れられていた。
来週13、14日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)に先駆けて発表される11月の消費者物価指数(CPI)は、インフレが実際に鈍化してきていると安心する材料が必要になってくる。
パウエル議長は、インフレ抑制に安心する証拠はまだ足りないと述べている。12月CPIが市場のシナリオを裏切る形になれば、インフレ警戒ムードが再燃する可能性はある。
中国コロナ感染者減、更なる規制緩和進む
中国では今週に入り規制や検査要件が広範囲で緩和されていることが確認された。首都北京市では本日からスーパーマーケットやオフィスに入る際の陰性証明提示が不要になった。
レストランや室内の密閉された空間では、引き続き陰性証明が必要となるものの、上海や深圳などの大都市をはじめ、地方都市でも、当局は検査要件の緩和を進めている。
足元の感染者も減少傾向が続く。先月27日には新規感染者(無症状者含む)が初めて4万人超えとなり最多を記録していたが、今週は減少傾向にある。5日には2日連続で3万人割れとなった。今後はレストランやバーなどの再開も検討され、中国政府は2年半におよぶコロナ戦略からの脱却をはかり、新型コロナウイルスの感染抑制のための規制は、経済的・社会的コストを最小限にするため、緩和される方向感がはっきりしてきた。
香港ハンセン指数は小幅に下落
6日の香港市場は前日の大幅高から上値は重い展開となり、ハンセン指数は前日比ベースで1%超えて売られる場面もみられた。ただ下値は底堅く、中国の防疫規制の一部緩和が好感された。同指数は前日比0.40%安の小幅安で引けた。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は同1.82%安と市場をアンダーパフォーム。連日大幅高となったオンライン医療の平安健康医療科技(1833)は8.9%安、動画配信のビリビリ(9626)は7.0%安、オンライン読書サービスの閲文集団(0772)は6.0%安と下げた。
主要銘柄も冴えず、Eコマースのアリババ(9988)は3.0%安、保険大手の中国平安保険(2318)は2.5%安、京東集団(9618)は2.4%安、阿里健康 (0241)は1.8%安で引けた。
一方、リオープン銘柄は引き続き買われた。大手カジノの永利澳門(1128)は5.2%高、MGMチャイナ(2282)は3.9%高。航空銘柄も買われ、中国東方航空 (0670)は3.4%高、中国南方航空(1055)は2.2%高だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.02%高の3,212.53、CSI300は同0.54%高の3,968.20と小幅に続伸した。経済再開の進展期待からリオープン銘柄に買いが集まり、相場をけん引した。
中国政府は早ければ7日にも、新たなに10項目の感染抑制措置緩和を発表する可能性が取りざたされており、期待感が相場を支えた。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>