「リスクマネジメント」ってなに?
「リスク」とは、偶発的な事故によって、いつどのような損失が発生するかわからない不確実性のことをいいます。
われわれ個人の人生や、身の回りにはさまざまなリスクがあります。そこで、私たちは、将来起こるかもしれない万一の事故などのリスクに対して準備を行うため、「リスクマネジメント」を行う必要があります。
リスクマネジメントとは、リスクを軽減させ、リスクを回避するための対策を計画し、実行する手段のことです。
これは、ライフプランを立てる際に重要なことです。
★リスクの算定
リスクマネジメントでは、最初にリスクの算定、すなわち、リスクに対して準備する金額を確定させることが必要です。
たとえば夫の死亡リスクについては、遺族に必要となる保障額として算定することが可能でしょう。しかし、自動車事故など算定が困難なリスクがあります。
★リスクマネジメン卜の2種類の手法
リスクマネジメントの手法には「リスク・コントロール」と「リスク・ファイナンシング」があります。
リスク・コントロールとは、損失の発生頻度と大きさを削減する方法です。
具体的な方法として、「リスクの回避」「リスクの損失制御」「リスクの結合」「リスクの分離」があります。
これに対して、リスク・ファイナンシングは、損失を補てんするために資金を準備する方法です。
具体的には、「リスクの保有」「リスクの移転」があります。
「リスクの移転」とは、損失を他者に移転することをいい、これが保険の考え方につながっています。
リスク・コントロールによって損失を削減し、それでも残される損失に対してリスク・ファイナンシングによって準備することになります。
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社会保険制度の全体像まとめ 医療保険・介護保険・労働保険・年金保険
保険制度の「仕組み」と「種類」を知ろう
リスクを回避したり、低減したりすることを「リスクヘッジ」といいます。損失が大きなリスクに対して、1人でリスクヘッジすることは不可能です。そのため、保険を活用して、不特定多数の人間同士で相互負担する方法が用いられます。
★公的保険と私的保険
保険の制度には「公的保険」と「私的保険」があります。
公的保険は、国が運営する制度であり、強制加入となっている制度です。「社会保険」と呼ばれています。
社会保険には「健康保険」「国民健康保険」「国民年金」「厚生年金保険」「労働者災害補償保険」「雇用保険」などがあります。
支払う保険料、給付される保険金は、いずれも法律によって定められています。
しかし、公的保険は最低限の保障にすぎないため、必ずしも自分が必要とする保障に十分であるとは限りません。
そこで、不足している部分を「私的保険」で補完することが必要となります。
私的保険は、民間の保険会社が運営を行うもので、「民間保険」と呼ばれています。
★生命保険と損害保険
民間保険は、「生命保険」と「損害保険」に大別できます。
生命保険は、人のみを対象とするもので、「第1分野の保険」といいます。
一方、損害保険は人だけではなく、物や賠償責任なども対象とするもので、「第2分野の保険」といいます。
これに対し、「医療保険」や「介護保険」のような保険は、生命保険と損害保険の中間に位置する保険です。
これらのような保険を「第3分野」の保険といい、生命保険会社も損害保険会社も扱うことができます。
★社会保険の不足分を補完する方法はこちらをチェック
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保険契約の締結…媒介または代理できるのはどんな人?
★媒介と代理
「保険の募集」とは、保険契約の締結を媒介または代理することをいいます。
募集の方法には「媒介」と「代理」の2種類があります。
媒介とは、仲介の立場で保険の勧誘のみを行って、契約は保険会社に任せるものです。
これに対して、代理とは、保険会社に代わって契約そのものを成立させることです。
★保険募集人
保険の募集ができる人は「保険募集人」「保険代理店」および「保険仲立人」の3者に限定されています。
いずれも内閣総理大臣の登録を受けなければならなりません。
まず、保険募集人は、保険会社などの使用人のことですが、保険会社のために保険の媒介および代理を行うことができます。
次に、保険代理店は、保険会社からの委託によって、保険募集人と同じく保険の媒介および代理を行うことができます。ここで、1社の商品のみを扱う保険代理店を専属代理店といい、複数の保険会社の商品を扱う保険代理店を乗合代理店といいます。
そして、保険仲立人は、保険会社からの委託を受けることなく、保険契約者と保険会社との間で、中立的な立場で保険の媒介を行う人をいいます。
岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士
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