◆物損事故|損害が億単位に達することも
次に、物損事故について解説します。
加害者が負う損害賠償責任の対象には、事故によって損傷したモノ自体の損害はもちろん、被害者がそのモノが使えなくなったことによって被った損害(消極損害)も含まれます。
たとえば、自動車で店舗に突っ込んで店舗の建物、機械設備、商品等を損傷した場合、それらを弁償しなければならないのはもちろん、営業できなくなった期間の逸失利益まで弁償しなければならないということです。
物損事故についても、過去の裁判における認定損害額のデータをご覧ください。場合によっては億単位となることがあります。

自賠責保険はそもそも物損事故が対象外なので、任意保険に加入していないと、損害が1円たりともカバーされないことになります。
任意保険がないとドライバーも被害者も地獄をみる
このように、交通事故においては、人身事故、物損事故、いずれにおいても、損害賠償の額が億単位になることは稀ではありません。したがって、もしも任意保険に加入していないと、ドライバー自身も被害者も地獄をみることになります。
すなわち、加害者は到底支払いきれない莫大な額の損害賠償債務を抱えることになります。また、被害者は賠償金を受け取ることができず、経済的に困窮し、泣き寝入りしなければならなくなる可能性があります。
「4人に1人」が任意保険未加入の実態!
ところが、統計によると、ほぼ4人に1人が任意保険に加入していないという実態があります。
すなわち、統計によれば、2021年3月末時点で、日本全国でみた「対人賠償保険」「対物賠償保険」の加入率は、「対人賠償保険」が75.1%、「対物賠償保険」が75.2%となっています(損害保険料算出機構「2021年度 自動車保険の概況」参照)。
これはきわめて危険な状態です。任意保険に加入していない人のなかには、事故を起こした際に支払うことになる損害賠償金額が億単位に達する可能性があるという認識が乏しいまま、「自賠責保険に加入しているから大丈夫」「任意保険の保険料がもったいない」と安易に考えているケースが相当多いと推察されます。
自賠責保険が被害者救済の「足かせ」に!
以上、まとめると、自賠責保険は、交通事故による損害の一部しかカバーしておらず、しかも、任意保険(対人賠償保険、対物賠償保険)の加入率が約75%程度にとどまっています。
こうなると、現行の自賠責保険の制度は、被害者の救済にとって中途半端であり、むしろ被害者の救済にとって足かせになっているのではないかという指摘が考えられます。
しかも、最近、自賠責保険の保険料の運用益を財務省が一般会計に流用し、返済されていないという問題が指摘されています。しかも、そのせいで、交通事故が減少傾向にあるにもかかわらず、2023年から自賠責保険の保険料が値上げになることが決まっています(詳しくは2022年11月18日の記事「『また搾取か!』自動車ユーザーの悲鳴…『自賠責保険料値上げ』で財務省の失態を国民に転嫁する理不尽」をご覧ください)。
これでは、はたして、自賠責保険がなんのための、誰のための制度なのか、ということになります。
自賠責保険の制度ができたのはまだ自動車が今日ほど普及するに至っていない1955年です。ところが、自賠責保険の基本的な枠組みは67年間変わっていません。「被害者救済」という基本理念に立ち返り、自賠責保険のあり方を根本的に見直すタイミングがきているといえます。
指摘率トップ!「名義預金」を税務署はどうみているか?
相続税の税務調査の実態と対処方法>>6/5(木)LIVE配信
カメハメハ倶楽部セミナー・イベント
【4/10開催】
「豪州マリーナ投資」の魅力
レジャー/ツーリズムをテーマとした
“オルタナティブ不動産投資”とは
【4/10開催】
弁護士が解説する投資用物件の
「サブリース契約解除」実務対応
【4/15開催】
キャピタルゲインも期待できる環境に!
「債券投資」のタイミングと
具体的な取り組み方
【4/16開催】
その“貢献”は認められるのか?
相続権がない親族でも請求できる
「特別寄与料」とは
【4/16開催】
一級建築士、土地家屋調査士、
不動産鑑定士、相続専門税理士
4つの視点による「相続税土地評価」
と相続対策の進め方