食事、外出、サークル活動、施設内設備など不満が続出
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トントン拍子に見えた転居でしたが、入居後、しばらくすると中村さんの顔はいつも曇るようになりました。見学会では老人ホームの良い面にしか目がいっていなかったことに気づいたのです。
いちばんの不満は食事でした。フレッシュな野菜やフルーツが大好きな中村さんですが、野菜が生で提供されることは少なく、フルーツも決まった種類ばかり。仕方なく近所のスーパーに食材を買いに行き、自室で食べることも多くなりました。しかもそのスーパーは徒歩だと30分以上かかるため、毎回タクシーを呼ぶのも面倒でした。
さらにレース編みが趣味の中村さんは、自宅のある駅に隣接する百貨店の手芸屋さんを懇意にしていましたが、老人ホームから最寄り駅までタクシーにのり、そこから電車で移動しなければなりません。なにかにつけて、不便なロケーションだったのです。
事前に聞いていたアットホームな雰囲気は確かに感じられますが、サークル活動はほとんど機能していない点や、運動や文化活動の共有スペースがなくピアノを弾くことができないこと、敷地内に散歩できる場所がないなど、不満は次々に出てきました。
「終の棲家」と決めるまでは、自宅は持ち続ける選択を
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中村さんは自宅を売却したことを後悔する日々でした。自宅が残っていれば、一旦、自宅に戻り、別の老人ホームを探すこともできたでしょう。長女の旦那さんとは仲が良いのでこっそり連絡をとり、どうしたらよいか相談すると、「うちで一緒に暮らしましょう」と提案してくれましたが、娘たちに啖呵を切った以上、意地でも同居はしたくありません。仕方なく、居心地の悪い老人ホームに住みながら、次の老人ホームを探す日々を送っている中村さんです。
実は、中村さんのように老人ホームの雰囲気が合わずに退居する例は珍しくありません。また、重度の病気やケガのために長期の入院をする際には、一度、退居しなければならない老人ホームもあります。
自宅の売却を考えている方でも、老人ホームに入居し、「ここを終の棲家にする」と決断できた段階で行動するのが得策。お子さんにも迷惑をかけず、ご本人も余裕を持って手続きなどを進めることができるでしょう。