融資型クラウドファンディング「危険な業者」の共通点
第二種金融商品取引業の登録がない事業者との取引
融資型クラウドファンディングでは、投資家に対してファンドとなる匿名組合を組成し、その出資持分の募集もしくは私募を扱うことから、本来ビジネスを営むうえで第二種金融取引業の登録が欠かせません。
従って、登録がなされていないまま融資型クラウドファンディングのファンド運営をおこなっている業者は、法令違反を犯している可能性が非常に高いといえます。
登録を維持するうえで必要な要件を満たしていないことにより、ファンド運営上のリスク管理などが適切におこなわれていない可能性が高く、なかには詐欺に近い商法で投資家から資金を集めていた事例も。
第二種金融取取引業の登録がおこなわれていない業者が販売するファンドへの出資は絶対にしないようにしましょう。
情報提供が十分ではない業者
金融商品取引業者は、顧客が投資判断するうえで必要な情報を充分に開示することが義務付けられています。
たとえば、出資対象事業持分の取引関連(金銭の払込みや解約、顧客の権利及び責任の範囲)、出資対象事業の運営関連(出資対象事業の内容および運営の方針、運営者の商号や氏名、配当方針など)、および出資事業の経理関連(出資対象事業持分の総額・配当等の総額・支払方法など)などです。
また、金銭の管理の方法、分別管理の実施状況、資金の流れに関する事項なども、ファンドのリスクを判断するうえで欠かせません。
そのほか、運営業者自身の情報についても審査態勢(審査体制、審査手続き等)や、貸付債権の管理回収方針態勢、返済遅延実績などさまざまな情報の開示を求めています。
これら、ファンド投資におけるリスクを判断するうえで充分な情報が開示されていない業者の融資型クラウドファンディングのファンドに投資してはいけません。
その分リスクを孕んでいる…「高すぎる利回り」
極端に高利回りを提供している業者の融資型クラウドファンディングへの投資も慎重に判断しましょう。
高利回りを提示しているということは、それだけリスクの高い企業や事業に融資をおこなっていることになります。
すなわち、貸し倒れリスクが高いファンドといえるでしょう。
もし融資先の脆弱性やリスクについて充分に説明されているのであれば、あとはそのリスクをとるべきかの個人の判断であり、ファンド運営に問題があるわけではありません。
充分な事前情報を踏まえて、高い貸し倒れリスクをとってでも高利回りを追求したいと考えるのであれば、投資してみるのもひとつの選択肢といえるでしょう。
一方で、高い利回りを提示していながら、利回りが高くなる背景やそのリスクについて充分に説明や情報開示をおこなっていないファンドも散見されます。
そのようなファンドでは適切な投資判断は困難であり、投資先として適切ではありません。
高い利回りにつられて高リスクなファンドに投資してしまわないように注意しましょう。
なかには「行政処分」を受けた業者も混ざっている
法令違反にあたる可能性が高い第二種金融商品取引業に登録していない業者は当然、避けるべきですが、登録している業者でも、いくつかの業者は行政処分を受けたことがあります。
たとえば『maneoマーケット』は、投資家に虚偽の内容を説明したことや、投資家と自社の資金を分別管理していなかったことなどにより、2018年に行政処分に。
このように第二種金融商品取引業に登録している業者だから安心、とはいえないので、行政処分を受けたかどうか、どのような行政処分を受けたのか、そして行政処分の結果どのように改善したのかを見極めて、しっかりと信用できる業者を厳選して取引をおこないましょう。
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