「こんなはずじゃなかった」ブラジルレアル投資で大損…高金利通貨の“落とし穴”【金融教育家が解説】

「こんなはずじゃなかった」ブラジルレアル投資で大損…高金利通貨の“落とし穴”【金融教育家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

金利は景気や物価、株価などから影響を受けながら動きます。それだけではなく、先に金利が動けば景気や為替、株価などに影響を及ぼすという逆の因果関係が働くことも。投資を行う上で、この経済メカニズムの知識は欠かせません。角川総一氏の著書『なぜ日本の金利は常に米国より低いのか 131のステップで誰でもできる金利予想の教科書』より、「高金利通貨への投資にはご用心!」を見ていきましょう。

高金利通貨の投資にはご用心

先生「本稿で、ちょっとした応用問題を紹介しておくね。といっても投資するときにはとても実践的なテーマだ」

 

生徒「タイトルを読む限り、高金利通貨への投資は怖い!って読めるんだけど」

 

先生「そうなんだ。かつて金利の高さだけに惹かれて、海外の高金利債券で運用する投資信託を買った人が大勢いた。海外債券ファンドってね。でもね、かなりの人が大損したんだ。もちろん実話だよ」

ブラジルレアル投資でなぜ大けがを負ったのか?

2000年代初めのころの話だ。特にブラジル国債なんかは金利がとても高かった。一時は10%近くの債券がゴロゴロしていた。そこでこれに目をつけた証券会社が、もっぱらブラジル国債で運用する投資信託を開発して、多くの人に販売したんだね。あ、もちろん投資信託を作ったのは投信会社だけどね。

 

そのころはすでに日本ではゼロ金利政策って、預貯金なども現在と同じように実質的にゼロだった。だから「ちょっとでも高い金利を」ってわけで多くの人が買った。「ブラジルレアル通貨選択型ファンド」なんていう投資信託がその代表だったんだけどね。でも、結局これが裏目に出た。

 

どういうことかって言うとね。買ってからしばらく経つと、この投資信託の成績がどんどん下がっていった。果たしてどんなメカニズムが働いたのか?

 

多くの人々は単純に、金利が高い⇒だから為替相場も上がる、と思い込んだ。つまり、ブラジル国債の高い金利と、ブラジルレアル通貨の値上がりと、ダブルで得すると考えたんだね。

 

一見すると、その判断は正しいと思うかもしれない。だって、高い金利の国の為替相場は高くなる。だったら高い金利が得られて、さらに為替でも得をするはずだった。しかも、売る側の証券会社や銀行の販売担当者はたいてい、そんな説明しかしなかったんだ。

 

ところが、ここに思わぬ落とし穴があった。実はね、金利が高いから為替相場も上がるっていうメカニズムだけに気を取られていたんじゃ駄目だったんだ。

 

ここからは、いくつかの経済メカニズムが交錯してくるんだけど、順序を踏んでわかりやすく話すね。

 

図表1を見てもらおうか。このファンドを買った多くの人は「金利」と「為替」の関係だけしか見ていなかったんだ。つまり「金利が高い」→「為替も上がる」っていうメカニズムだね(①)。
 

出所:角川総一著『なぜ日本の金利は常に米国より低いのか』(ビジネス教育出版社)
[図表1]金利・物価・為替の3すくみ 出所:角川総一著『なぜ日本の金利は常に米国より低いのか』(ビジネス教育出版社)

 

しかし本当は、「金利」と「物価」の関係(②)と「物価」と「為替」の関係、図では③だね。この2つのメカニズムを考えに入れなくっちゃならなかったんだ。さてどういうことか?

 

と言っても、この図だけではちょっとわからないよね。次の項以降で順に種明かししていくからね。

次ページ「物価上昇」⇒「通貨下落」という伏兵

※本連載は、角川総一氏の著書『なぜ日本の金利は常に米国より低いのか 131のステップで誰でもできる金利予想の教科書』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

なぜ日本の金利は常に米国より低いのか 131のステップで誰でもできる金利予想の教科書

なぜ日本の金利は常に米国より低いのか 131のステップで誰でもできる金利予想の教科書

角川 総一

ビジネス教育出版社

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