(写真はイメージです/PIXTA)

2019年4月1日より順次施行されている働き方改革関連法。この改革は、大企業よりも中小企業にこそ必要といいます。なぜなのでしょうか? 働き方改革の概要や適用時期などの基本情報とともに詳しく解説します。

 

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実際の改革取り組み事例

最後に、いち早く働き方改革に取り組んでいる中小企業の事例を3社紹介します。働き方改革を導入するうえで、参考にするのもよい方法です。

 

事例1.パワーネット

香川県で正社員紹介事業・派遣事業を展開するパワーネットでは、以下のような働き方改革によって生産性を高め、売上高を2年で1.8倍伸ばしました。

 

・全業務をマニュアル化(随時更新)

・書類の置き方、引き出し内の配置を共通化

・1日のタイムマネジメントの徹底

 

業務マニュアルを作成し、書類を分類したうえで1人ひとりの机や引き出し、書庫の置き方・収納方法を統一することで、担当者が休んでもスムーズに引き継げるようにしました。また、全従業員が毎朝その日の業務計画を書き出し、退社時間までのスケジュールを組み立てることで、仕事の優先順位づけや時間管理の意識を徹底させています。

 

事例2.オカモトヤ

創業100年を超えるオカモトヤ(東京都)は、オフィスデザインや内装工事などを手掛ける老舗企業です。「経営とは人づくり」という理念のもと、以下のような働き方改革を進めています。

 

・ICカードを用いた勤怠管理システムを導入し、勤務時間を「見える化」

・モバイル勤務環境を整備し、テレワークを導入

・座席を固定しないフリーアドレス制を導入

・5営業日連続の休暇取得を推奨

 

勤務時間の「見える化」により、2016年から2018年の3年間で平均残業時間を約30%削減しています。また、ITインフラを整備してテレワークを導入し、従業員の柔軟な働き方を推進すると共に業務効率化も進めています。

 

事例3.三和建設

三和建設(大阪府)は、従業員の充実感こそが顧客満足につながるという社長の考えに基づき、従業員が働きやすい環境整備に力を入れています。以下の働き方改革を進めたこともあり、人手不足が深刻な建設業界にあって、同社では安定的に人材を採用できています。

 

・長期治療のための特別休暇を拡大

・女性の雇用環境の改善(社内保育所の設置など)

・新入社員が定着しやすい環境整備(寮を新設・メンター社員の配置など)

 

病気療養が必要な従業員に対するサポートが手厚く、病気で長期間休まなければいけない場合、有給休暇が自動的に2ヵ月付与されます。また、本人に働く意欲があれば延長も可能です。また、現場に女性専用トイレを完備し、保育所も新設するなど女性従業員の働きやすさにも配慮しています。その結果、建設業界にしては珍しく、女性従業員比率は27%と高水準です。

 

厚生労働省の働き方改革特設サイトでは、上記事例の詳細やそのほかの事例が紹介されています。

 

参考:働き方改革特設サイト中小企業も働き方改革|厚生労働省

まとめ

今回は、働き方改革関連法の中小企業への適用時期と中小企業が抱える問題、中小企業におすすめの働き方改革推進支援を詳しく解説しました。当コラムのおおまかなまとめは、以下のとおりです。

 

・働き方改革とは、2019年4月に厚生労働省が打ち出した改革のこと

・働き方改革で職場づくりを実現できれば、人手不足の解消や業務効率の向上にもつながる

・中小企業の定義は、「資本金・出資金」または「常時使用する労働者の数」

・働き方改革唖、大企業よりも中小企業にこそ必要

・福利厚生の充実は、他社との差別化に大きく貢献する

・中小企業が働き方改革を進めるには、助成金やポータルサイトの活用がカギ

 

日本国内雇用の約7割を占める中小企業は、労働生産性が低いという事実があります。中小企業にこそ働き方改革が必要で、生産性を高めていかなければ日本経済は後退し続けるでしょう。中小企業にとっては「限られたリソースで、いかに効果的に働き方改革を推進して生産性を高められるか」がカギとなります。今回の内容を参考にしながら、生産性の高い職場づくりを進めてください。

 

 

桐山 秋行

株式会社リロクラブ

執行役員

 

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