メンタルノイズが発動するサインは「モヤモヤ」
メンタルノイズは、仕事への取り組み方や人間関係、お金、そして自己実現に関することなど、あらゆる場面で発動します。誰しも複数のメンタルノイズを持っていて、一つもない、という人はいません。
例えば、友達や同僚に今日は何を食べたい?と聞かれたとき、本当はお肉を食べたいと思っていても、反対されるのが嫌で言えなかったとします。
そんな自分と違って、食べたいものを遠慮なく言える自由な人がいると、イラッとしたり、なんだかモヤモヤしたりしてしまいます。
この「反対されるのが怖くて言えない」というのもメンタルノイズです。
おそらく過去に、誰かに本当に食べたいものや行きたいお店を言ったら「そんなのを食べたいの?」などと否定されて、悲しかった経験があるのでしょう。
そもそも、日本には遠慮する奥ゆかしさが美徳とされる文化があるため、それが知らず知らずのうちに刷り込まれた可能性も考えられます。
いずれにしても、潜在意識に蓄積されたメンタルノイズは、予期せぬタイミングで発動して、「本当はこうしたい」という本音や本心を邪魔するのです。
ただし、メンタルノイズの存在を知らないと、発動していることに気づけません。何事も、知らないことには反応のしようがありませんよね。
だから発動するたび、「本当は△△したいと思っているのに、どうしていつもできないんだろう」とモヤモヤさせられるわけです。
いわばメンタルノイズに振り回されて、「したいことができない私は、なんてダメなんだろう」と、思うようにできない自分を責めることにつながります。
逆に、その存在を知ってさえいれば、何かの拍子に発動して気持ちがモヤモヤしたら、「あ、今メンタルノイズが発動しているな」と自覚できます。
モヤモヤは、メンタルノイズが発動しているサインです。
自覚できれば、「どうしていつもできないんだろう」とは考えません。なぜなら、考えるまでもなく、モヤモヤする理由はメンタルノイズのせいだとわかるからです。
その結果、モヤモヤが増大するのを抑えられて、本当にしたいことをがまんしがちな自分に寄り添えます。
すると、今回は思い切って本当にしたいことを言ってみようかな、してみようかな、という気持ちも芽生えるわけです。
人によっては、メンタルノイズの発動を自覚できるようになるとすぐ、本当にしたいことができるようになる人がいます。
たとえ、やっぱり今回もできなかった、という結果になっても、ノイズの発動を自覚できればこっちのもの。「次は本当にしたいことをするぞ!」という気持ちになっているので、徐々に変わっていけるのです。
家庭や学校で影響を受けるメンタルノイズ
お金にまつわるメンタルノイズも、ほかのメンタルノイズと同様に、家庭環境や学校教育、一般常識、メディアなどの外的要因によってつくられます。その影響を受けないうちは、誰の心の中にも、お金にまつわるメンタルノイズは存在しません。
小さい子がはじめてお金という存在を知って、大好きなお菓子やおもちゃを買えることがわかると、「お金、大好き!」「お金、欲しい!」と無邪気に口にします。
何だったら、硬貨をベロベロ舐めちゃったりもします。
するとすかさず、親や学校の先生が「汚いからやめなさい!」とか、「そんなにお金お金と言うんじゃありません!」と注意します。
それがそのまま子どもの心に刷り込まれて、「お金は汚いもの」というネガティブなイメージが植え付けられてしまうのです。
これが、お金にまつわるメンタルノイズが“インストール”される一番多いパターンです。
家庭でお金の話がタブーだった場合も、お金にまつわるメンタルノイズになりがちです。
小学生にもなると、「あそこのおうちは大きいから、お金がいっぱいありそう」「〇〇ちゃん家はゲームがいっぱいあるから、お父さんはお給料をいっぱいもらってるんだろう」などと想像するようになりますよね。
かたや、自分の家は小さくて狭いし、ゲームもあまり買ってもらえない、となると、疑問に思ってお母さんにこう聞くわけです。
「うちって貧乏なの?」「お父さんは、いくらぐらいお給料をもらってるの?」と。
純粋に疑問に思ったから聞いただけなのに、たいていは「そんなこと聞いちゃいけません!」と怒られるでしょう。
すると子どもは、「お金の話は口に出しちゃいけない悪いものなんだ」と思ってしまうのです。
山根 洋士
心のクセを直す「メンタルノイズ」カウンセラー(心理カウンセラー)
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