(※写真はイメージです/PIXTA)

私たちは小さいころから社会で生きていく中で周囲から様々な影響を受けています。過去に受けた影響は、大人になった今でも物事の考え方に“心のクセ”として残っているのです。心理カウンセラーの山根洋士氏が著書『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)で解説します。

メンタルノイズが発動するサインは「モヤモヤ」

メンタルノイズは、仕事への取り組み方や人間関係、お金、そして自己実現に関することなど、あらゆる場面で発動します。誰しも複数のメンタルノイズを持っていて、一つもない、という人はいません。

 

例えば、友達や同僚に今日は何を食べたい?と聞かれたとき、本当はお肉を食べたいと思っていても、反対されるのが嫌で言えなかったとします。

 

そんな自分と違って、食べたいものを遠慮なく言える自由な人がいると、イラッとしたり、なんだかモヤモヤしたりしてしまいます。

 

この「反対されるのが怖くて言えない」というのもメンタルノイズです。

 

おそらく過去に、誰かに本当に食べたいものや行きたいお店を言ったら「そんなのを食べたいの?」などと否定されて、悲しかった経験があるのでしょう。

 

そもそも、日本には遠慮する奥ゆかしさが美徳とされる文化があるため、それが知らず知らずのうちに刷り込まれた可能性も考えられます。

 

いずれにしても、潜在意識に蓄積されたメンタルノイズは、予期せぬタイミングで発動して、「本当はこうしたい」という本音や本心を邪魔するのです。

 

ただし、メンタルノイズの存在を知らないと、発動していることに気づけません。何事も、知らないことには反応のしようがありませんよね。

 

だから発動するたび、「本当は△△したいと思っているのに、どうしていつもできないんだろう」とモヤモヤさせられるわけです。

 

いわばメンタルノイズに振り回されて、「したいことができない私は、なんてダメなんだろう」と、思うようにできない自分を責めることにつながります。

 

逆に、その存在を知ってさえいれば、何かの拍子に発動して気持ちがモヤモヤしたら、「あ、今メンタルノイズが発動しているな」と自覚できます。

 

モヤモヤは、メンタルノイズが発動しているサインです。

 

自覚できれば、「どうしていつもできないんだろう」とは考えません。なぜなら、考えるまでもなく、モヤモヤする理由はメンタルノイズのせいだとわかるからです。

 

その結果、モヤモヤが増大するのを抑えられて、本当にしたいことをがまんしがちな自分に寄り添えます。

 

すると、今回は思い切って本当にしたいことを言ってみようかな、してみようかな、という気持ちも芽生えるわけです。

 

人によっては、メンタルノイズの発動を自覚できるようになるとすぐ、本当にしたいことができるようになる人がいます。

 

たとえ、やっぱり今回もできなかった、という結果になっても、ノイズの発動を自覚できればこっちのもの。「次は本当にしたいことをするぞ!」という気持ちになっているので、徐々に変わっていけるのです。

家庭や学校で影響を受けるメンタルノイズ

お金にまつわるメンタルノイズも、ほかのメンタルノイズと同様に、家庭環境や学校教育、一般常識、メディアなどの外的要因によってつくられます。その影響を受けないうちは、誰の心の中にも、お金にまつわるメンタルノイズは存在しません。

 

小さい子がはじめてお金という存在を知って、大好きなお菓子やおもちゃを買えることがわかると、「お金、大好き!」「お金、欲しい!」と無邪気に口にします。

 

何だったら、硬貨をベロベロ舐めちゃったりもします。

 

するとすかさず、親や学校の先生が「汚いからやめなさい!」とか、「そんなにお金お金と言うんじゃありません!」と注意します。

 

それがそのまま子どもの心に刷り込まれて、「お金は汚いもの」というネガティブなイメージが植え付けられてしまうのです。

 

これが、お金にまつわるメンタルノイズが“インストール”される一番多いパターンです。

 

家庭でお金の話がタブーだった場合も、お金にまつわるメンタルノイズになりがちです。

 

小学生にもなると、「あそこのおうちは大きいから、お金がいっぱいありそう」「〇〇ちゃん家はゲームがいっぱいあるから、お父さんはお給料をいっぱいもらってるんだろう」などと想像するようになりますよね。

 

かたや、自分の家は小さくて狭いし、ゲームもあまり買ってもらえない、となると、疑問に思ってお母さんにこう聞くわけです。

 

「うちって貧乏なの?」「お父さんは、いくらぐらいお給料をもらってるの?」と。

 

純粋に疑問に思ったから聞いただけなのに、たいていは「そんなこと聞いちゃいけません!」と怒られるでしょう。

 

すると子どもは、「お金の話は口に出しちゃいけない悪いものなんだ」と思ってしまうのです。

 

山根 洋士

心のクセを直す「メンタルノイズ」カウンセラー(心理カウンセラー)

 

 

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※本連載は山根洋士氏の著書『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法

「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法

山根 洋士

PHP研究所

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