(※写真はイメージです/PIXTA)

2023年10月からはじまる「インボイス制度」。反対運動などで話題になったこともあり、制度自体を知ってはいるものの「じつは詳しく理解できていない……」という人も少なくありません。そこで、公認会計士・税理士の川崎晴一郎氏が「インボイス制度の基本」について、発行したインボイスにミスが発覚した際の対処法を解説します。イラスト©︎中山茂子

発行したインボイスにミスがあった場合はどうする?

インボイスを修正できるのは発行した事業者のみ

お客様への請求書を発行して、「あっ、金額を間違えた!」とあとからミスに気づくことは誰にでもあります。請求書のミスはインボイスだろうと区分記載請求書だろうと、いつでも起こり得ることです。

 

ただ、インボイスの場合、区分記載請求書とは違って、受け取る側が修正や追記することができません。

 

もし、発行したインボイスにミスがあるとわかったら、インボイスを発行した側が正しいインボイスを作り直して、受け取る側に再発行します。

 

簡易インボイスや適格返還請求書に誤りがあったときも同様です。必ず、インボイスを発行した側が修正したインボイスを再発行しましょう。

 

なお、再発行の場合でも、発行日は基本的に受け取る側へ最初に発行したインボイスと同じ日付で大丈夫です。

 

[図表1]当初発行したインボイスにミスを発見!
[図表1]当初発行したインボイスにミスを発見!

 

ミスしたインボイスの修正方法は「2つ」

インボイスを修正する方法としては、1つ目に「ミスを修正してインボイス全体を再発行する方法」と、2つ目に「当初のインボイスとの関連性と修正した事項を明示したインボイスを発行する方法」があります。それぞれの特徴と具体例を見てみましょう。

 

<①ミスを修正してインボイス全体を再発行する方法>

ミスした箇所を修正した上で、その他の部分も含めてインボイスを再発行する方法です。この方法が一般的であり、インボイスを受け取る側としても、経理の修正処理が行いやすくシンプルです。

 

[図表2]ミスをした箇所を修正して再発行したインボイス
[図表2]ミスをした箇所を修正して再発行したインボイス

 

<②当初のインボイスとの関連性と修正した事項を明示したインボイスを発行する方法>

「どのインボイスが間違えていたか」「正しい内容はどのようなもので、誤っている内容はどのようなものか」だけを記載する方法です。当初のインボイスの全体の内容には触れません。ただし、当初のインボイスとセットにしないと、正確な取引内容の全容が把握できません。

 

[図表3]ミスをした箇所を抜き出して正誤表をつけるインボイス
[図表3]ミスをした箇所を抜き出して正誤表をつけるインボイス

 

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※本連載は川崎晴一郎氏の著書『いまだに全然意味がわかっていない個人事業主・フリーランスですが、インボイスって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

いまだに全然意味がわかっていない個人事業主・フリーランスですが、インボイスって結局どうすればいいのか教えてください!

いまだに全然意味がわかっていない個人事業主・フリーランスですが、インボイスって結局どうすればいいのか教えてください!

川崎 晴一郎

すばる舎

「インボイス制度」とは、2023年10月1日から始まる消費税の新しいルール。実はややこしい、この新制度。 ・インボイス登録をしないと、なぜ契約を切られるリスクがあるのか? ・インボイス制度ってなんなのか、どう対応すれ…

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