自動車ユーザーはどこまで搾取し尽くされるのか
鈴木財務大臣は、補正予算で返済額に12.5億円を積み増しする意向を表明しています。しかし、自賠責保険の保険料の増額によりツケを回される形になった自動車ユーザーにとっては、理不尽な負担を押し付けられているといわざるをえません。
しかも、自動車に関する税制のあり方と合わせ、自動車ユーザーに過大な負担を負わせる結果になりかねません。
自動車の税制については、今回の件に先立つ10月20日、鈴木財務大臣が、参議院予算委員会において、EV(電気自動車)について、ガソリン税を徴収できない代わりに走行距離に応じて税金を課する「走行距離課税」導入の可能性について言及したばかりです。
「走行距離課税」の理由として、EVは車体が重いので道路に負担をかけるからということが挙げられますが、それでは「自動車重量税」と趣旨が同じということになってしまい、整合性がとれません。しかも、仮にEVに走行距離課税を導入したら、ガソリン車にも導入するのかという問題が生じます。
そもそも、自動車に関する税制は複雑で、「ガソリン税」「自動車重量税」などは存在意義・正当性に疑問があると指摘されています。また、「ガソリン税」に至っては、税金の上に消費税が上乗せされる「二重課税」の問題も指摘されています。
さらに、「ガソリン税」「自動車重量税」はもともと道路の維持管理・整備のための「道路特定財源」だったのが、2009年に「一般財源」に繰り入れられたという経緯があります。
これら自動車の税制に関する迷走ぶりと、今回の自賠責保険の保険料引き上げの件を全体としてみると、理由・名目は何でもよく、自動車ユーザーを、都合よく搾り取る対象としか見ていないのではないかと疑問を抱かれても仕方ないといえます。
国家というシステムを維持するためのコストとしての税金も、交通事故被害者を救済するための自賠責保険も、本来は、すべての国民、あるいは自動車ユーザーが公平に負担するべきものです。ところが、自動車に関する限り、実際には公平の理念が蔑ろにされているといわざるをえません。政府・国会には、自動車ユーザーに過度の負担を負わせ不当に搾取する結果にならないよう、納得感のある施策を行うことが求められています。
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