「DX=ペーパーレス」が間違いの第一歩…「情報過多」の時代、成果を出す本質的なマーケティングとは?

「DX=ペーパーレス」が間違いの第一歩…「情報過多」の時代、成果を出す本質的なマーケティングとは?
(※写真はイメージです/PIXTA)

マーケティング部門におけるDXを単に「ペーパーレス化」と考えていると、間違いの一歩となるかもしれません。情報過多の時代に合う、成果を出す「本質的なマーケティング」とはどのようなものか、みていきます。

 

データドリブンなアナログ施策、成功事例

では、データドリブンなアナログ施策とはどのようなものなのか。3つの効果事例をご紹介します。

 

1.大手百貨店でのパーソナライズDM

年間購入金額の大きい「お得意様」に向けてメールマガジンやDMなど実施されていましたが、よりお得意様の興味関心を把握することや、施策の効果がわかりにくいなかで試行錯誤されていました。そこで、お得意様限定の催事をご案内するDMのQRコードを工夫することで『どのお得意様が、どの催事にご興味をお持ち頂けたか』をわかるようにしました。

 

その結果、お買い上げ情報だけでなく、「お得様がDMへ反応頂いたことをひとつのきっかけとしてお声がけができる」という、パーソナライズで双方向なコミュニケーションの価値を再認識した事例です。

 

2.ファッションECでの「カゴ落ちDM」

紙のカタログとWebサイトをうまく組み合わせて訴求し、双方の強みを活かしたマーケティング施策を検討されていました。そこで、ECサイトでユーザーが「カート」に入れたまま離脱してしまった商品を掲載したDMを制作し、サイト離脱から24時間以内にユーザーへ発送するという施策を実施。

 

この実証実験の結果、「カゴ落ちDM」を送付したユーザーの購入コンバージョン率は、「カゴ落ちDM」を贈らなかったユーザー群と比較して約2割向上しました。データドリブンに紙を活用した事例です。

※参考:パーソナライズDMでCVRは20%UP、ECユーザーへの小冊子DMでレスポンス10%UP――ディノス・セシールのDM活用法

 

3.冷凍おかず定期便サービスでのパーソナライズ同梱物

お客様の継続率を高めるため、デジタル施策のほか、同梱物などアナログ施策を組み合わせることが必要と考えられていました。そこで、注文情報に応じてパーソナライズされたチラシ制作から、倉庫での同梱オペレーションを一気通貫で連動させた効果検証を実施。

 

その結果、画一的な内容のチラシよりも、パーソナライズしたチラシのほうが1.7倍ほどWebサイトの訪問数に高い効果が得られました。お客様ひとりひとりにパーソナライズした、新たなコミュニケーショ体験を創出した事例です。

デジタルだけでマーケティングDXが実現できない理由

ご紹介した3つの事例からの重要なポイントは、これからのマーケティングにおけるコミュニケーションは、デジタル施策で、アナログ施策でもわけ隔てなく、ひとりひとりに合わせたコミュニケーションを実現していくことにあります。

 

ただ、日々膨大な業務に追われるマーケターが新たな挑戦をする際に、リソースがない、お金がない、ソリューションがない等の壁があることがほとんどです。そこで重要になってくるのが、外部パートナーとの価値共創であり、小さくやって、スピード感をもってPDCAを回すことです。すべてのことを一社で賄う時代はすでに終わっています。

 

そのためにも、実運用までコミットするプロジェクト、パートナー関係構築を構築し、デジタル、アナログ双方で、パーソナライズ且つ、双方向なコミュニケーション変革を実現していくことこそが、マーケティングDX成功への近道であると信じています。

 

 

塚原 俊之

コニカミノルタ株式会社

AccurioDX エバンジェリスト

 

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