不動産市況はいま空前の「売り手市場」となっています。ところが、不動産仲介業者の間では、売主の利益よりも自分の利益を優先する行為が横行しており、売主が納得いかない形での売却を迫られるケースがあとを絶ちません。そんななか、売主の利益を追求することだけに集中し、方法にこだわらず支援を行う「不動産エージェント」の存在が、これまでの「売主不在」の不動産業界を変えていく可能性があります。

「不動産エージェントにまず相談」が当たり前になる将来

今後、不動産エージェントの活躍がより注目され、不動産エージェントの理念が浸透していき、売却時には不動産エージェントにまず相談することが定番となったら、旧態依然としていて利己主義に走りがちな不動産業界は大きく変わっていきます。

 

まず、多くの不動産が「囲い込み」の呪縛から解放され、市場に流通することになります。買い手側にとっては希望を満たした最高の不動産に出合いやすくなります。不動産がたくさんの方の目に触れるようになるため、不動産の価値が最適化していき、売り手にとっては納得した価格での売却が叶えられます。売買取引成立数は不動産エージェントが浸透すればするほど増えていくことになります。

 

不動産エージェントがサポートにつくことで、売主にとっても買主にとっても理想の取引が可能となります。市場の流通性が高まる一方で、不動産取引前後のトラブルは減っていくことが期待できるわけです。

 

その結果、不動産業界は怪しいというマイナスイメージは一蹴され、さらに取引の機会が増えていく好循環の相乗効果を生み出していきます。不動産エージェントにまず相談が当たり前の発想になったら、まさしく海外のような、新築よりも中古物件の割合が増えていく、健全な不動産取引市場が形成されていきます。

 

不動産エージェントにまず相談するという発想は売主にとってだけのものであってはいけません。買う側も不動産エージェントに相談してみようという発想をもってほしいのが不動産エージェントの率直な願いです。

 

これまでの不動産探しはインターネットの不動産サイトや街角のチラシを見て、その不動産を紹介している仲介会社にアクセスすることがスタートラインでした。

 

しかしこれからの不動産探しは、不動産から選ぶのではなく、人から選ぶようになっていくべきです。欲しい不動産を見つけてくれそうで、なおかつ相性の良さそうな不動産エージェントに「こういう条件の不動産が欲しくて」とまず相談してみるべきです。

 

不動産エージェントが買い手に代わって最適な不動産を探し、見つけることができたら、売主についている不動産エージェントにコンタクトをとります。お互いのエージェントが細かい部分を詰めていき、取引成立へ向け全員が一丸となり前へ進んでいく、という流れが普通となっていくことで、不動産の価値はより適正化されていき、取引に関わる方たちの満足度や幸福度も高まっていきます。

 

この理念やプロセスが広まれば広まるほど、不動産業界の根本が変わっていきます。これまで「1件の不動産でどれだけたくさん稼ぐか」が評価されていた業界が、たくさんの不動産でたくさんの方を笑顔にすることで評価される業界へ色を変えていくのです。

 

 

大西 倫加
さくら事務所 代表取締役社長
らくだ不動産株式会社 代表取締役社長
だいち災害リスク研究所 副所長

 

長嶋 修
さくら事務所 会長
らくだ不動産株式会社 会長

 

 

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

大西 倫加,長嶋 修

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産売却を検討する人は必読の一冊! 後悔したくなければ「不動産エージェント」を選択せよ! 売主第一主義か?自社利益最優先か? 不動産業者は千差万別! 正しいパートナー選びが売却の成否を分ける――

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