(※写真はイメージです/PIXTA)

東京都世田谷区の新築ワンルームマンションを投資目的で購入した後藤さん(男性・40代※仮名)は、管理費と修繕積立金の上昇のため、5年目から赤字に陥ってしまいました。売ろうにも、販売価格がローンの残債を400万円も下回っており、債務整理も考えなければならない状況に追い込まれました。後藤さんから相談を受けた不動産エージェントCは、なんとかして後藤さんが損せずに済む方法はないか、調査に乗り出しました。

投資物件としての魅力を引き上げる第2ステップ

エージェントCから提案した第2ステップは入居者(賃借人)との家賃交渉でした。

 

サブリース会社との契約が解かれる半年後は、ちょうど入居者との更新タイミングだったため、この機会に家賃の値上げ交渉を行うべきだと判断したのです。

 

値上げ幅は5,000円に設定しました。これは現行より5,000円高い9万5,000円が相場から判断する適正な賃料であることをこれまでのリサーチによってはじき出していたのです。

 

後藤さんはそのような交渉をしてもいいものなのかと少し躊躇している様子でしたが、家賃が相場とずれている場合、更新時に交渉できる旨が賃貸契約書のなかに書かれているため、交渉の余地は十分にあることを念押ししました。

 

また仮に値上げを拒否された末に賃貸契約解消となっても問題ないことを強調しました。また改めて9万5,000円で入居者募集をかければ、適正な相場であることに加え、立地も抜群であることからすぐに入居者が決まる自信がCにはあったのです。

 

どちらに転んでもリスクにはならないことを時間をかけて説明したところ、このアドバイスが安心材料につながったのか、自ら交渉することに躊躇気味だった後藤さんも後日すぐに交渉に着手しました。

 

まず電話にて入居者に値上げ要請の旨を伝え、その後は直接会っての交渉を行いました。

 

Cから後藤さんへポイントとして伝えたのは、必ず記録として残すことです。メールやスマホの録音機能などを併用し、やり取りの過程と相手の承諾内容がデータとして残るようにしてもらいました。値上げ交渉開始から1ヵ月後、後藤さんからCに電話がありました。交渉は成功し、入居者は9万5,000円で承諾してくれたのです。

 

当初は値上げするなら出ていくと難色を示していましたが、結局は値上げに納得し、引き続き入居することを決めたのでした。

 

 

大西 倫加
さくら事務所 代表取締役社長
らくだ不動産株式会社 代表取締役社長
だいち災害リスク研究所 副所長

 

長嶋 修
さくら事務所 会長
らくだ不動産株式会社 会長

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

大西 倫加,長嶋 修

幻冬舎メディアコンサルティング

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