稼ぐために開くべきは、図表1における「黄金の窓」
「嫌いだけどできること」を頑張れば、お金を稼ぐことができる
これだと、
「歌が好きな子は歌を歌ってはいけないの?」
と思うかもしれないけれど、そんなことはいっていない。好きな歌は仕事ではなく趣味としてやり続ければいい。
ここでいっているのは、「お金を稼ぎたい」と思うなら、好きなことは仕事にせず、趣味にするのがいいということ。よって、この枠を「趣味の窓」と呼ぶ。
好きなことは仕事にしてはいけないなんていわれたら、
「それじゃ、いったい自分は何を仕事にして稼げばいいの?」
となるよね。
そう、あとは残った、3.「嫌い」だけど「できる」こと。じつは、これがもっとも稼げる枠だ。名づけて「黄金の窓」。
嫌いなことというと嫌な感じがするかもしれないけれど、言い換えると、自分ではたいして努力をしていないけれど、人に褒められたり、人に喜ばれたりすることのこと。
「嫌いだけどできること」を頑張れば、やがて「好きでできること」に
たとえば、父さんの例だと、人の前で話すのはずっと嫌いだった。
人前で話すことが決まると、1ヵ月前から憂うつになり、会社を休んだことだってある(ここだけの話)。
ところが、ある日、とある集まりの司会をどうしてもしなければならないことがあって、冷や汗をかきながら司会をしていた。でも、会が終わったあと、みんなから、
「司会、上手だったね!」
といってもらえたんだ。
そのときはみんなお世辞をいっているのかなと思っていた。けれど、それから何度か司会をし、そのたびに褒められる。そんな経験をするうちに、もしかして、人よりうまく司会ができるのかもしれないと思うようになったんだ。
そこで、それから進んで司会をするようになると、だんだんと慣れていき、人前で話すのがどんどんうまくなっていった。出番が増えるので必然的に人前で話すスキルは上がっていき、徐々にお金を払って参加してくれるお客さんの前で話をしたり、ついには講演会に呼んでもらえたりするようにまでなり、お金が稼げるようになった。
人から褒めてもらえて、なおかつお金も稼ぐことができる。こんな仕事を嫌いになれるはずもなく、徐々に人前で話すことが好きになっていった。
つまり、最初は「嫌いだけどできること」だったことが、気がついたら「好きでできること」に変わっていったんだ。