お金に困らないためには、お金を「上手に稼ぐ」・「減らさない工夫をする」・「賢く貯める」という3つの柱が重要であると、企業経営コンサルティングを行う(株)プレジデンツビジョンの代表取締役・石原尚幸氏は指摘します。3つの柱を実践するうえで身につけるべき考え方、方法について、著書『父が子に伝える 13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方』から、親と子どもの対話形式で、分かりやすく解説します。
稼ぐために開くべきは、図表1における「黄金の窓」
「嫌いだけどできること」を頑張れば、お金を稼ぐことができる
これだと、
「歌が好きな子は歌を歌ってはいけないの?」
と思うかもしれないけれど、そんなことはいっていない。好きな歌は仕事ではなく趣味としてやり続ければいい。
ここでいっているのは、「お金を稼ぎたい」と思うなら、好きなことは仕事にせず、趣味にするのがいいということ。よって、この枠を「趣味の窓」と呼ぶ。
好きなことは仕事にしてはいけないなんていわれたら、
「それじゃ、いったい自分は何を仕事にして稼げばいいの?」
となるよね。
そう、あとは残った、3.「嫌い」だけど「できる」こと。じつは、これがもっとも稼げる枠だ。名づけて「黄金の窓」。
嫌いなことというと嫌な感じがするかもしれないけれど、言い換えると、自分ではたいして努力をしていないけれど、人に褒められたり、人に喜ばれたりすることのこと。
「嫌いだけどできること」を頑張れば、やがて「好きでできること」に
たとえば、父さんの例だと、人の前で話すのはずっと嫌いだった。
人前で話すことが決まると、1ヵ月前から憂うつになり、会社を休んだことだってある(ここだけの話)。
ところが、ある日、とある集まりの司会をどうしてもしなければならないことがあって、冷や汗をかきながら司会をしていた。でも、会が終わったあと、みんなから、
「司会、上手だったね!」
といってもらえたんだ。
そのときはみんなお世辞をいっているのかなと思っていた。けれど、それから何度か司会をし、そのたびに褒められる。そんな経験をするうちに、もしかして、人よりうまく司会ができるのかもしれないと思うようになったんだ。
そこで、それから進んで司会をするようになると、だんだんと慣れていき、人前で話すのがどんどんうまくなっていった。出番が増えるので必然的に人前で話すスキルは上がっていき、徐々にお金を払って参加してくれるお客さんの前で話をしたり、ついには講演会に呼んでもらえたりするようにまでなり、お金が稼げるようになった。
人から褒めてもらえて、なおかつお金も稼ぐことができる。こんな仕事を嫌いになれるはずもなく、徐々に人前で話すことが好きになっていった。
つまり、最初は「嫌いだけどできること」だったことが、気がついたら「好きでできること」に変わっていったんだ。
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市生まれ。
コーヒー卸商「石原珈琲商会」の三男として育つ。幼少の頃から父の配達についていき、「明日の売上がなかったら、お前の目の前のごはんは食べられないんだぞ」と言葉をかけられていたのが、商売の原点。上智大学経済学部経営学科卒業後、大手石油元売に入社。日本一ガソリン代が安い激戦区に担当営業として赴任。赤字となってしまった大手特約店にて、2年間で3億円のV字回復を実現したことが評価され、31歳で社長賞を受賞。34歳で独立起業後は、現場で培った経営ノウハウにファイナンシャルプランナー資格(1級FP技能士)、MBA修得で得た知見も併せ、成果にコミットするV字回復メソッドを体系化。「売上に偶然はあるが、利益に偶然はない」という理念のもと、社外にいるものの、社長の傍らに寄り添う「社外参謀」としてクライアントのビジョン実現へ邁進している。直近では「父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方」を上梓し、お金と賢く付き合うやり方と考え方をわかりやすく伝える活動も行っている。
【公式サイト】
株式会社プレジデンツビジョン:https://presidents-vision.com/
ジャパンコンサルティングファーム株式会社:http://www.japan-cf.com/
【資格等】
・1級FP技能士
・ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA(経営管理修士・専門職)
【主催する団体】
・ジャパンコンサルティングファーム(株) 代表取締役会長
・五つ星★メンバーシップ 主宰
【著書】
『社長!お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない〜2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!(ダイヤモンド社)』
『父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方(三笠書房)』
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載子どもに伝えたい!お金に一生困らない3つの考え方