人生100年時代、誰しも、ある日突然、事故で重度の障害を負った、治療法のない難病に罹った、がんと診断された…などで働けなくなり、治療費や生活費等に困窮するリスクがあります。「老後破産」の問題もあります。そんなとき、まとまったお金を手にするために、むかし入った「保険」が意外な形で役に立つ手段があります。それが「生命保険の買取」です。日本ではまだほとんど知られていないこの方法について徹底解説します。
生命保険が無駄になる…「解約」と「失効」の実態
生命保険の「解約」と「失効」は、保障が消滅することを意味します。それは家族のライフプランの崩壊でもあると言えます。
2019年度に死亡保険金が支払われた件数は78万件、保険金額は3兆円でした。これに対し、解約と失効の件数は合わせて869万件。死亡保険金は44兆円でした。
つまり、死亡により支払われた件数の10倍以上の保険契約が、解約・失効により失われているのです(【図表2】参照)。
また、解約・失効の理由をみると、2021年では「保険料を支払う余裕がなくなったから」「保険料が更新により高くなったから」の合計が35.8%となっています(【図表3】参照)。心ならずも大病を患い、経済的に窮すると、保険料の支払いも困難な状態となり、解約したり、失効させたりせざるをえなくなる可能性があるということです。
株式会社リスク・マネジメント研究所
代表取締役
1986年生命保険会社に入社、外務員・支社長を経て2000年独立
その間の1991年米国本社を訪問時に「生命保険の買取」の存在を知るも、友人を癌で亡くし生命保険買取の必要性を痛感する。
2021年、米国カルフォルニア州生命保険買取ブローカー資格試験合格。
2004年、株式会社リスク・マネジメント研究所を設立。
【論文等】
『米国のLife Settlementと介護資金形成』生命保険文化センター 生命保険論集 215号(共著 2021年6月)
『生命保険信託における民事信託の活用 (特集 生命保険信託の新たな展開)』信託フォーラム Vol.5(2016年3月)
『必要な治療が受けられない! がん患者にのしかかる“三重苦” 生命保険の売却で活路を』最新医療経営情報誌フェイズ・スリー 260号(2006年04月)
『医師も知っておいてほしい 患者のための生保活用術』日経メディカル Cancer Review on WEB (2009年06月16日)
『診療所成功マニュアル 生命保険加入をどう見直すか』日経ヘルスケア 132号(2000年10月)
【所属団体】
日本保険学会
日本臨床腫瘍学会
日本後見法学会
民事信託推進センター
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連載「家計破綻・老後破産」を防ぐ「家計の埋蔵金」!いざというときのため知っておきたい「生命保険の買取」とは