(※画像はイメージです/PIXTA)

決算対策・節税の方法として人気があるものの一つに「コインランドリー投資」があります。しかし、どのような点をさして「節税」にあたるのかといったことについては、十分に理解されているとはいえません。また、失敗例もあります。本記事では、コインランドリー投資の本来の意味での税制メリットと、失敗しないための注意点について、要点を解説します。

コインランドリー投資の税制メリットとは

コインランドリー投資は、コインランドリーのオーナーとなって経営することをいいます。

 

自前の土地にランドリーを建てるパターンのほか、借地上にランドリーを建てるパターン、既存のテナント店舗にランドリーを設置するパターンがあります。

 

コインランドリーの数は著しく増加しており、その背景には、共働き世帯の増加、気候の変化や、ダニ等のアレルギー対策の需要の増大といった事情があります。したがって、立地条件が良好であれば、将来にわたり安定的に収益を得られる可能性が高いといえます。

 

コインランドリー投資を行うにあたって、「中小企業経営強化税制」の「B類型(収益力強化設備)」を活用すると、洗濯機や乾燥機、非常用ガスバルクといった機械設備等の購入代金について、以下のいずれかの税制優遇措置を受けることができます。

 

・全額の「即時償却」

・10%の「税額控除」

 

税制優遇の対象となる機械設備等の価格が投資額に占める割合は、建物を建てるか既存のテナント店舗に入るかにもよりますが、だいたい70%~80%程度です。

 

「中小企業経営強化税制」の「B類型(収益力強化設備)」を活用する場合、専門のフランチャイズ事業者を通じて申請すると、4ヵ月前後かかります。したがって、たとえば、3月決算であれば、前年の12月までにはプランを決める必要があります。

 

ただし、事業者によっては、あらかじめコインランドリーの店舗の建設に着手して「在庫」を準備し、もしオーナーがつかなければ自社で直営店として運営する形をとっているところがあります。その場合は、1ヵ月半~2ヵ月前でも間に合う可能性があります。

即時償却は「節税」ではない!

では、即時償却と税額控除とでは、それぞれ、どのような効果の違いがあるでしょうか。以下の例で解説します。

 

・投資金額:4,500万円

・税制優遇の対象となる機械設備等の価格:3,150万円(投資額の75%)

 

◆即時償却を選ぶ場合

まず、即時償却を選べば、初年度に3,150万円を一気に損金算入できます。その結果、法人実効税率30%として計算すると、945万円の税負担が軽減されることになります。

 

ただし、これは厳密には「節税」ではありません。なぜなら、即時償却は、本来複数年に分けて減価償却費を計上していくところ、初年度に一気に償却するにすぎず、トータルでみれば、損金算入額はまったく同じだからです。あくまでも「利益の先送り」「損金の先行計上」にすぎません。

 

◆税額控除を選ぶ場合

これに対し、税額控除を選べば、初年度の法人税から315万円が差し引かれます。こちらは、トータルでみれば税金の額が減るので、本来の意味での「節税」にあたるといえます。

 

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