(※画像はイメージです/PIXTA)

給与の額を大きくすると、その分だけ、所得にかかる税金の額や社会保険料も増えるのが悩みです。しかし、工夫次第で、実質的な手取りを増やすことはできます。本記事では、その有効な手段の一つで消費税の削減にもつながる「出張手当」について解説します。

出張手当の金額はいくらに設定するか

出張手当の金額は、常識的な範囲にとどめる必要があります。その場合、他の会社がどの程度の金額を設定しているのかなどを参考に、職位ごとに定めるのが一般的です。

 

新型コロナウイルス禍前のデータですが、産労総合研究所「2019年度 国内・海外出張旅費に関する調査」によれば、平均支給額は以下の通りです。

 

【国内・日帰り出張】

 ・社長:4,458円

 ・取締役:3,613円

 ・部長クラス:2,666円

 ・一般社員:2,094円

 

【国内・宿泊出張】

 ・社長:4,598円

 ・取締役:3,802円

 ・部長クラス:2,900円

 ・一般社員:2,355円

 

【海外出張(北米地域)】

 ・部長クラス:5,593円

 ・一般社員:4,913円

 

【海外出張(中国地域)】

 ・部長クラス:5,185円

 ・一般社員:4,514円

 

なお、同調査では業種別・規模別の平均額も算出していますので、参考にしてください。

出張旅費規程では「交通費」「宿泊費」についても定める

出張旅費規程を定める際は、「出張手当」の他に、「交通費」「宿泊費」についてもそれぞれ定めをおく必要があります。以下、要点を解説します。

 

まず、「交通費」については実費精算が一般的ですが、役位ごとにシート等の差を設けることができます。たとえば、新幹線であれば社長・役員はグリーン車、従業員は普通車といった差を設けることなどです。

 

次に、宿泊費については、役位ごとに上限を設けるのが一般的ですが、精算の方法については以下のいずれかがあります。

 

・実費精算

・一定額を支給し、上回った場合のみ差額を支給する

 

後者を選ぶと、精算にかかる業務の手間を省くことができます。また、個人は、宿泊料金が安いホテルを選んだ場合も所定の宿泊費を受け取ることができます。

まとめ

出張手当を導入することで、会社にとっては法人税が抑えられるだけでなく、社会保険料の削減、消費税の削減の効果があります。また、個人にとっては所得税・住民税と社会保険料が抑えられ、実質的な手取りを増やすことができます。

 

出張手当の金額は、役位ごとに常識的な範囲内で設定する必要があります。また、出張旅費規程を作成する際は、交通費・宿泊費についても定めておかなければなりません。

 

どのような会社でも利用可能ですが、特に、遠方への出張が多い場合には、出張旅費規程とともに出張手当の制度を導入することを強くおすすめします。

 

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