(※画像はイメージです/PIXTA)

音楽教室がレッスンで使用した楽曲について著作権使用料の支払義務を負うかが争われた裁判で、2022年10月24日、最高裁の判決が言い渡されました。判決の内容は、音楽教室の先生の演奏については使用料の支払義務を負うとした半面、生徒の演奏については支払義務が生じないというものでした。本記事では、争点と判決内容、および判決の問題点について解説します。

これでいいのか?残された問題点

本件においては、著作権22条の「公衆」の解釈が問題となりました。「公衆」は「不特定または多数の人」と解釈するほかないので、最高裁判決の判断は法解釈としては合理的であるといえます。

 

しかし、それが健全な社会常識に照らして妥当かどうかは別の問題です。

 

すなわち、音楽教室でのレッスンに楽曲を使用することは、それが受講料を受け取って行われるものであったとしても、生徒に演奏技術等を学ばせ、習得させるという教育的な側面が大きいものだといえます。

 

しかも、演奏技術等を学ばせるには、既存の楽曲を利用することがもっとも近道です。

 

そうであるにもかかわらず、ライブハウスやコンサートホールで聴衆からお金をとって演奏する場合とまったく同じ扱いをすることは、果たして妥当といえるでしょうか。

 

裁判所の任務はあくまでも司法、すなわち、既存の法令を解釈・適用することです。

 

既存の法令に欠陥や空白がある場合、裁判所ができるのは、せいぜい、可能な範囲で解釈によって補うことまでです。裁判所が法律の根拠なしに新たなルールを創造することは、基本的には許されないのです。

 

法律を定めるのは立法機関である国会です。したがって、今後、著作権法の改正等によって、音楽教室等で教育的見地から行われる演奏については異なるルールを定めることが求められます。

 

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