(※画像はイメージです/PIXTA)

労働者50人以上であれば義務化されているストレスチェック。増加の一途を辿っていた精神障害による労災認定件数に対する危機感から導入されたものですが、従業員からは「ただやっているだけ」「何にも活かされていない」という声も。厚生労働省の資料から、実施状況をみていきます。

義務化の「ストレスチェック」…結果の活用状況は?

「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が公布され、一定規模以上の事業所で義務となったストレスチェック制度。そもそもの発端は、精神障害による労災認定件数が増加の一途を辿っていたという背景がありました。

 

ストレスチェックの対象企業は、労働者が50人以上いる事業所。対象となるのは厚生労働省が定める「常時使用する労働者」で、次の①、②の要件を満たす労働者です。

 

①期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。

 

②その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

 

医師・保健師・厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士、産業医等の専門機関の中から実施する人を選ばなければならず、外部機関への委託も可能です。

 

厚生労働省『令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)』によると、ストレスチェックを実施した事業所のうち、結果を集団ごとに分析した事業所は78.6%。さらにその分析結果を活用した事業所は79.6%となっています。ストレスチェックを実施したものの4割ほどの事業所は、その結果を活用するまでに至っていません。

 

分析結果の活用方法として最も多いのが、「残業時間削減、休暇取得に向けた取組み」で53.6%。「相談窓口の設置」48.1%、「衛生委員会又は安全衛生委員会での審議」45.4%、「上司・同僚に支援を求めやすい環境の整備」41.7%、「業務配分の見直し」が29.1%、「人員体制・組織の見直し」が26.1%、「職場の物理的環境の見直し」が21.7%と続きます。

 

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