「DX」という略語について
「DX(ディー・エックス)」という言葉をよく見聞きするようになりましたが、そもそも一体なにを指しているのか、通常のデータ活用やデジタル化とどう違うのか、基本的なことを聞きたいけど誰に聞いてよいのかわからない、と感じられている方も多いのではないでしょうか。そこで、あらためて「DX」とはなにを指す言葉なのか、企業における「DXへの取り組み方」等についてわかりやすく解説していきたいと思います。
まず、基本中の基本である「DX」という略語の説明から始めたいと思います。日常生活では様々な英語の略語を目にしますが、「X(エックス)」が含まれた略語も少なくありません。たとえば、「FX(Foreign Exchange:外国為替証拠金取引)」、「CX(Customer Experience:顧客体験)」といった具合です。
従来の略語では「X(エックス)」は「ex」を示すことが多かったように思います。あるいはCEO、CFO等をまとめて表す「CXO」の場合は、「X」の部分にはさまざまな文字が入る“ワイルドカード”という使われ方をしています。
ここで「DXはDigital Transformationの略で、exでもワイルドカードでもないじゃん……」と疑問に感じられた方もいらっしゃると思いますが、これには理由があります。「Transformation」の接頭辞の「Trans-」は「Across」と同じ意味であるため、英語圏での省略表記ではもともと「X」を使うという習慣があるのです。そのため、「Digital Transformation」の略語が「DX」となったわけです。
同様の使われ方はほかでも確認されています。Webサイトを検索していただくとわかりますが、「QX(Quantum Transformation:量子コンピュータによる変革)」、「VX(Virtual Transformation:仮想現実による変革)」、「GX(Green Transformation:脱炭素社会実現のための変革)」等、多くのシーンで使われていることがわかります。