(※写真はイメージです/PIXTA)

マンションやアパートで大音量の騒音を出したり、ゴミ等を放置し悪臭を放つなど、迷惑行為を繰り返す近隣住民がいた場合、日々の暮らしへの大きなストレスとなります。そこで実際にこのような迷惑行為の被害に遭った場合、どんな法的措置をとることができるのでしょうか。ココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、迷惑住民への対応について原田和幸弁護士に解説していただきました。

マンションの所有者が居住して、周りに迷惑をかける場合

前記のとおり、マンションの所有者が居住している場合は、大家さんからの建物明渡請求という方法はとれません。では、どうするか。

 

ひとつには、区分所有法に規定されている競売請求です(同法59条)。区分所有者の共同生活上の障害が著しく区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難な場合、当該区分所有建物を競売にすることを請求できるとするものです。

 

競売になれば、第三者の所有になりますので、現在の迷惑な住人は退去せざるを得なくなります。ただ、この競売請求については、要件がかなり厳格であり、通常の迷惑レベルであれば、難しいと考えておいたほうがよいと思います。

 

あとは、本件では、ベランダで物を燃やすとかタバコを下に投げ落とすともありますので、放火罪や建造物損壊罪の可能性もありますし、他人の家の玄関を開けるともありますので、住居侵入罪の可能性もあります。

 

本件では警察が動いたような話もありますが、刑事事件化すれば、検察官も動くことになるでしょうから、その場合、精神鑑定のうえ、措置入院といって、強制的に入院措置が取られる場合もあります。場合によっては、懲役刑実刑になれば刑務所に行くこともありうるかもしれません。

 

そうなるとしばらくマンションに戻ってこられないことになるとは思いますが、いずれは戻ってくるかもしれませんので、根本的な解決には至らないかもしれません。

 

ただ、刑事事件となるほどの迷惑な行為が継続するのであれば、前記の競売請求が認められる方向の事情にはなりますので、一定の効果はあるのかもしれません。

 

さらには、行政に相談ということもありえますが、どこまで行政が動いてくれるかという問題はあると思います。

 

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