投資信託のデメリット
「うまい話にはウラがある。」という言葉があるように、投資信託にもデメリットがあります。
1.元本保証ではない
2.手数料がかかる
3.タイムリーに売買できない
■デメリット1:元本保証ではない
なにをおいてもこれに尽きます。投資信託に限りませんが、投資のリスクは「値動きの大きさ」にあり、購入したときよりも値下がりしてマイナスになる「元本割れ」の可能性があります。銀行で投資信託を扱っていることもあり、預金や定期など元本保証のある金融商品を利用する感覚で、預けたお金が戻ってくると思うかもしれませんが、投資信託はリスクのある投資であることを覚えておきましょう。
特に、ここ数年の販売トレンドを見ると、コストが安い株式型のインデックスファンド(市場や指数とほぼ同じような運用成績を目標とする投資信託)が販売額上位を占めています。手数料が安く気軽に始められる理由で、多くの方が利用していますが、市場の大きな下落が起これば、当然大きな損失を抱えてしまいます。
2020年3月にコロナウィルスの問題で市場が大きく下落した際には、全世界の株式市場が軒並み30%下がりました。金額を抑えて購入している方や積立投資の方などは気にならなかったかもしれませんが、ご自身の資産のなかで、かなりの比率の金額を投じていた方は気が気でなかったはずです。
購入を検討する際は、この商品が最大でどのくらいの損失を被る可能性があるのか、しっかり確認しましょう。
■デメリット2:手数料がかかる
投資信託には3つのタイミングで手数料が発生します。1点目は購入時です。店頭取引では3%程度かかることもありますし、ネット証券では手数料無料など、取扱い金融機関によって異なりますので、購入の際には必ず確認しましょう。
次に保有中の手数料です。「信託報酬」とも「運用管理費用」とも表示されることが多いのですが、投資信託ごとに年率0.1%~3%など異なるものの、どの取扱い金融機関でも一律の手数料です。投資信託を保有している間は、純資産総額に対して計算され、365分の1が毎日少しずつ運用資産から差し引かれますが、毎日公表される「基準価額」は、この信託報酬を差し引いたあとの価額です。この手数料が安いほうが、運用成果が良いという考えもあり、一概に間違いとはいえないのですが、なかには手数料をかけてもしっかりパフォーマンスを出している投資信託もあるので、安易に手数料で決めるのではなく、運用実績なども参考にしたほうがよいでしょう。
最後に解約時の手数料です。「信託財産留保額」といい、売却代金から0.1%~1%程度が差し引かれます。投資信託ごとに定められていますが、この手数料がかからない投資信託が大半です。
このように3つのタイミングでかかる手数料は、投資信託のデメリットのひとつです。但し、手数料の多寡だけで投資信託選びをしてしまうと、ご自身が本来行うべき運用にあわない内容になってしまうこともしばしばありますので、注意しましょう。
■デメリット3:タイムリーに売買できない
投資信託は複数の銘柄を組み入れており、個々の時価評価をもとに、1日にひとつの「基準価額」が算出され、公表されます。そして、売買取引は当日の基準価額を公表する前に締め切られる「ブラインド方式」を採用しているため、株式のようにタイムリーな売買取引には向いていません。
なかには、上場していて株式同様に売買できる投資信託(ETF)もありますが、一般的な投資信託はその日に公表されている「基準価額」で売買するわけではないのです。購入時や売却時の価格がわからないという点もデメリットといえるでしょう。